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2006年8月30日 (水)

南アルプス第1日目

前日(8月19日)21:10までの勤務を終え、駅のロッカーで荷物を取り出し横浜駅に向かう。横浜駅には22時頃に着いてしまう。横浜発0:11の「ムーンライトながら」に乗る予定なのでまだ2時間以上時間がある。居酒屋で時間をつぶすか?西口の雑踏を山ザックでウロウロするのはイヤなので東口のポルタを一回りするが、どの店も23時までだ。

ならば、というか、かなりそういうことになるだろうと思っていた「スカイスパ」へ。昼間に自分のブログをチェックしていたらしげぞうさんの書き込みがあったので気になる。「スカイスパ」ならPCがある。ザブンと風呂に入って頭と体を洗い、サウナも一回きりにしてリビングルーム(PCのある部屋)へ向かう。PC5台すべて使用中。ではとりあえず腹ごしらえだ。レストランに行き「ビールセット」を注文する。追加で生中もう一杯。リビングルームに行くと今度はあいているPCがあった。自分のブログに書き込み。しげぞうさんのブログにも書き込み。もう一度ザブンと風呂につかり、山姿(といってもTシャツ短パン)になり、23:50頃横浜駅に行く。この日は暑くて仕事場からここに来るまでにかなり汗をかいたが、少し暑さも和らいだようだ。風呂に入ってサッパリしたせいかもしれない。

「ムーンライトながら」の指定席券は今日とったものだ。喫煙に一席だけあいていた。これがとれなければ小田原まで「ながら」に先行して小田原→静岡は立ちんぼになっていたかもしれない。

2006年8月20日(日)、0:11横浜駅から「ムーンライトながら」に乗る。喫煙2号車13C。煙いが2時間15分の辛抱だ。寝過ごすと予定が狂うのでこれ以上酒は飲まない。つまり、あまりよく眠れないまま2:26静岡着。降りるときに見たらかなりまだ立っている人がいる。自分はかなりラッキーだったと思う。

静岡ではたっぷり時間があるので郵便局へ寄ったりコンビニへ寄ったりしながら新静岡まで歩く。5:40のバスまで新静岡のベンチですごす。静岡駅の周りにもベンチや軒下で寝ている人たちがいたが、こちらにも二人いた。気持ちよさそうに寝ている。自分もそうしたいが眠りがやってこない。そのうち夜があける。いい天気だ。

5:35バスがやってきた。車掌さんが乗っており荷物を量る。10キロ以下なので荷物料金はとられない。ここでバスに乗ったのは自分ひとり。「この席が足伸ばせていいですよ、長いですからね」との車掌さんの言葉に素直に従う。3時間20分ほど乗るのだ。

このまま一人ってことはないだろうから、皆静岡駅から乗るんだろう。

静岡駅からは12人ほど乗った。その中に7人の高校生グループ。女性がリーダー。皆20キロ以上はありそうなでかいザックを背負っている。彼らがバスの中で話しているのを聞くと、滋賀県から来たらしい。さっき軒下で見かけたのはこの高校生たちだったようだ。それにしてもたくましい。体じゃなくて行動が。

さらに彼らの話すのを聞いていると9泊10日で北岳に抜けるそうだ!すげえ奴らがいるもんだ。

なぜか途中でバスを乗り換えさせられる。冷房の効きが悪いとか。

2度トイレ休憩。あとはひたすら爆睡。冷房が強いのでパーカーを出して体の前にかける。

8:55終点到着の5分ほど手前の駐車場のところでしずてつバスを降りて「東海フォレスト」の送迎バスに乗り換える。乗ったのは4人。自分のほかに単独の男性一人、赤石小屋泊り。夫婦一組、私と同じ千枚小屋泊り。乗るときに3000円を払い、小屋の宿泊代にその3000円をあてる仕組み。お金を払うときに「今日はどちらまで?」ときかれた。

もう、この4人しか乗ってはこないのだろうが「時々、ギリギリになって来るお客さんがいるんでねえ。9:10まで待ちます」と、運ちゃん。そして誰も乗ってこないまま4人の客を乗せて走り出す。途中の案内や花など、解説を時々入れながら約50分で椹島到着。途中、聖平からの下山客を二人乗せた。ここからの乗車だけは認めているとのこと。

椹島では「一仕事終えた」満足そうな人たちがたくさんバスを待っている。この次は10:30発の畑薙ダム行きがあるようだ。

さて、ギリギリの食料しか持っていない私は「椹島レストハウス」で山菜ソバ700円なりをいただく。下りて来た人たちはうまそうに生ビールを飲んでいる。自分も降りてきたら絶対に飲んでやる!

10:24歩行開始。10:35千枚・荒川登山口。10:44吊橋通過。南アらしくなってきた。

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管理道路(ジープが通れる道)がつかず離れずくっついている。金さえ出せばこの道をジープで来るツアーもあるらしい。11:15、一回目の林道クロス。11:24鉄塔通過。12:18「千枚小屋へ4時間30分」の標識。16時までに着くかどうか。13:00大きな倒木のところでオニギリを二つ。15分休憩。このあたりまで送迎バスで一緒だった夫婦とほぼ同じペース。この少し上の水場で抜いたあとは小屋到着まで「浜松3人組」の一人のおばさんがいただけだった。

14:15三角点と「椹島まで下り3時間、千枚小屋まで登り3時間の標識。

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こりゃ16時までに着くのは無理か?このあたりから猛烈に眠くなった。考えてみればロクに寝ていない。15:18駒鳥池「小屋まで1時間」の標識。オニギリ一個食べたのと「あと1時間」で俄然元気になる。

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15:54千枚小屋到着。小屋の手前はすばらしいお花畑になっている。

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「浜松3人組」の次に宿泊申し込み。一泊二食に弁当をつけて8500円、バスで払った3000円の券で差し引いて5500円なりを支払う。小屋はキレイで気持ちがいい。2階のB上を割り当てられる。この区画にはまだ誰もいないので端っこをキープ。

靴下を脱ぎ、短パンをジャージに替え、カッターシャツをはおる。小屋前のテラスに出てみる。缶チューハイ500円を飲みながらメモを書く。小屋の周りは白(主にイブキトラノオ)、黄(マルバダケブキ?)、紫(主にトリカブト)のお花畑だ。

Dscf0287 ←小屋横のお花畑

テラスで酒盛りやお話に花を咲かせている人たちは圧倒的に60歳代と思われる。9.5対0.5くらいの割合で自分より年上が多い。改めて「高年パワー」を感じる。

先ほど宿泊受付の時にこれからのコースをきかれた。明日は「百間洞山の家」明後日は「聖平」そして椹島に降りると答えた。3泊4日で下りて、一日は北海道行きの準備にあてよう。

小屋に着いたときは少し景色が見えていたがガスがかかってきた。しかし、雲をみながら、あるいは花や鳥を見ながら飲むチュウハイ。つまみはカシューナッツ。だんだん幸せな気分になってきた。「これだから山登りはやめられないねえ」心の中でつぶやく。

御前崎に住むというおじさんと話す。ガソリンスタンド経営でなかなかまとめて休みをとるわけにはいかないそうだ。だが、家を朝2:30に出てここまできたそうだ。南アを攻めるにはうらやましい環境ではないか。明日は悪沢・赤石を登って赤石小屋泊りだそうな。

17:30夕食。メインは鳥(から揚げに甘辛いたれをからめたもの)。焼酎ワンカップ500円をいただきながらおいしくいただく。配膳のおねえさんの丸い顔と低い声。そこへ

「南アルプスへようこそ!」のダミ声。小屋番のオヤジだ。といっても50歳前後か?「こーやって注目を集めておいて弁当配るんです」「6:51からのニュースで天気予報をやるのでTVをつけますが、寝ててもいーよ。明日は晴れ。今ガスがかかっていますが、なくなります。夜中にトイレに起きたら満天の星。だけどトイレに行くときは忍者のように扉を開け閉めしてね」

飯の後、TVニュースを見に食堂に下りた。天気予報が終わると

「こんなん見て何になりますか?ここは3000メートルの山の上。明日は晴れます!」そしてギターを弾きだした。一曲目笠木透「わが大地のうた」二曲目に洋楽を歌いだしたが途中でやめ、夏川りみ「涙そうそう」。拍手だ!「さあ、ご飯だ」お客さんが「まだ食べてないんですか?小屋番「お客さんより先に食べるわけにいかないいでしょ!」おもろいオヤジだ。笠木透だなんて、自分が30年近く前に北海道のユースホステルをウロウロしていた頃を思い出してしまったぜ!

2階に戻る。隣は浜松三人組。男一女二で、おじさんが自分の隣に寝てる。送迎バスで一緒だった夫婦も同じ区画に寝ている。自分も歯を磨いて寝ることにする。消灯は20時だが19:30頃眠った。

22:30、トイレに起きる。「満天の星」とはいかないが降るような星。ほんの少しガスがかかっているか。

そのあとなかなか眠れない。電波は届いたり届かなかったり。友人・家族にメールを送ったり、モブログ投稿に初チャレンジしたり。H隊員(書き込みする方です)から返事のメール

「まだ起きているの?話はあとでまとめて聞くから早く寝なさい!」

早く寝たんだけどさー、眠れないんだよねー。

浜松おじさんはいびきこそかかないがこちらに転がってくる。「ウーン」とか寝言がうるさい。

1時半ころには再び眠ったようだ。

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コメント

なかなか力作だね。
北海道で歩きながらよく「涙そうそう」を歌っていた理由がわかったよ。
続きを楽しみにしてる。

投稿: H隊員 | 2006年8月30日 (水) 17時20分

H隊員へ、4日間の北海道楽しかったぜ!
念願の幌尻をH隊員と登ることが出来て最高です。
歳とともに体力は落ちるがその分人間的な魅力がついてくるように努力したいと思っています。
あと6座来年中には達成したいと思っています。その時にはまた付き合ってもらいますよ。
さっそくの書き込みありがとう!

投稿: たけぱぱ | 2006年8月30日 (水) 18時06分

お邪魔します。
その節は、スカイスパからもコメントをいただいてありがとうございました!
ここは歩いたことがあるので懐かしく拝見しました。千枚小屋のお花畑、すごい!!!しかも小屋のオヤジさん、歌うんだ~。笠木透って「誰?」って感じなんですけど(笑)。私はテント泊だったので歌のことは知りませんでした。
で、北海道で涙そうそう歌いながら歩いてたんですか!?余裕ですねえ~!

投稿: しげぞう | 2006年8月31日 (木) 00時09分

今日も飲んだくれて今、帰ったぞ!偉大なしげぞうにコメントしてもらって良かったね(^^)たけパパ!

投稿: オヤジ! | 2006年8月31日 (木) 00時50分

しげぞうさん、書き込みありがとうございます。
飲んだくれオヤジが「しげぞう」なんて呼び捨てにして申し訳ありません。
笠木透は拓郎より少し上の世代ですかね。「拓郎って」とは言いませんよね、しげぞうさん!「苫小牧発仙台行きフェリー」も拓郎ですからねっ。
「涙そうそう」は熊よけで歌ってたんですよー。熊鈴持って行くの忘れちゃったんですー。
さあ、南ア第2日目にかかるとするかな。

投稿: たけぱぱ | 2006年8月31日 (木) 03時59分

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