南アルプス第2日目
2006年8月21日(月)、4時に灯りが点る。皆、その前から起きている様子。
私はまず顔を洗いに行く。トイレ大の方は並んでいる。
空は?天気は?月が出ていて、その一角以外は雲がおおっている。しかし、小屋番のオヤジが「明日は晴れます」と言っていたから大丈夫だろう!
5:00朝食。玉子焼き、シャケ、キンピラ、海苔、ほうれん草。のり玉のふりかけが置いてある。ご飯、味噌汁をおかわりする。小屋の前で写真を撮ってもらう。
見ている間に荒川三山は雲にかくれだした。10分休憩後、出発。このあとのお花畑はすばらしかった。
浜松三人組がすぐ前を歩いており、花を写真に撮りながら歩いている。自分もバシバシ撮る。
通過してしまうのがもったいないくらいだった。
7:05丸山着。ここですでに標高3032mある。3000mの世界は富士山以来だから14年ぶりかな。ガラガラの尾根を登り、7:35悪沢岳(荒川東岳)登頂。区切りの90座であります。
←かなり満足げ
7:56悪沢をあとにする。かなりのダウンとアップで8:56荒川中岳着。
←余裕の表情
←ひと仕事終えた安堵感
9:53「荒川小屋まで30分」の標識のところで休憩。浜松三人組が先に休んでおり、先に出発していった。入れ替わりに東海フォレストのバスで一緒だった夫婦が下りてきた。千葉から来たとの事。百名山の話になり、このあと25日から幌尻に行く話しをしたら、この夫婦も7月に行ってきたと。「首まで水につかって大変だったのよ。私たちの前を歩いていたパーティのガイドに助けられてやっと下りてこれたのよ」ご主人は百名山には興味ない様子。
10:23荒川小屋着。千枚小屋の弁当を半分食べる。おいなりさんとサツマイモのふかしたもの。水場に浜松三人組の一人のおばさんと一緒に水を汲みに行く。行きはよいよい帰りはゼーハーものだった。水場にウメバチソウが咲いていた。
荒川小屋でカレーを食べているおじさん二人組がいた。うまそーだなー。でも1000円だって。グッとツバを飲み込む。
10:42荒川小屋発。最初はルンルンの比較的歩きやすい道だったが小赤石の登りにかかり急登になる。ここをヤケクソになって走って登る。小赤石直下で雷鳥2匹。トウヤクリンドウ、イワギキョウ。昨日千枚小屋のテラスで話した御前崎のおじさんと行き会う。御前崎おじさんは赤石小屋泊り。団体とすれ違う。昨日千枚小屋で隣で夕飯を食べていたお姉さま(50歳くらいか)を抜き去る。
12:01小赤石岳山頂。少し休憩。歩きだそうと思ったら「シャッター押しましょうか?」の声がかかる。
←大体こんな姿で歩いてました。
←これはよく撮れてるでしょ。
12:32赤石岳山頂到着。悪沢に続き91座目。弁当の残りを食べる。薄日がさし暖かい。
13:00赤石岳発。すぐに赤石避難小屋。食事は出ないがカップラーメンや飲み物はあるようだ。頂上に近いからここも泊まってみたいですなー。
赤っぽい石の間を下りる。18年前の富良野~十勝~大雪縦走を思い出すようなところだ。
そこからまた下りに下ってようやく「百間洞山の家」が見えてきた。
14:50百間洞山の家到着。9時間16分の行動時間。よく歩いたもんだ。
まず受付。順番を待つ間にふと横を見るとエビスが冷やしてある。今日はこれに決まり!
受付時にこれからのコースを訊かれる。昨日と同じく聖平→椹島と申告する。受付のお兄さん(この人が小屋番だと思う)に9人の女性の団体を見ませんでした?」と訊かれる。「あー、それなら千枚小屋を出て一番最初に抜かしましたよ」「何時くらいにここに着くかなー」「5時くらいにはなると思いますよー」「うーん、そーですかー」といいながらのけぞっていた。
この小屋はこじんまりとしてきれいな、なかなかいい小屋だと思う。部屋のつくりは千枚小屋と違い複雑なつくりになっている。寝具は同じ、毛布1枚にシュラフ。A-2を割り当てられる。6人用の区画。まだ誰もいないので端っこをキープ。
「さあ、エビス」と思って部屋を出ようとしたら、上の梁に思い切り頭をぶつけた。帽子をかぶったままの時は要注意。
夕食は8人ずつで自分は17:15から。それまでにメモかいてしまおう。小屋前のテーブルでエビスを飲んでいると(エビスにこだわるのはエビスが本物のビールだからである。A社のSDは大嫌い。千枚小屋でビールを飲まなかったのもSDしかなかったのと、チュウハイが冷えていて100円安かったからである)、H山H男さん(頭髪に特徴あり)や浜松三人組も下りてきた。
ふと同じテーブルで先に一杯やっていた夫婦のだんなの手元を見ると「黒霧島」のワンカップが!「それ下から持ってきたんですか?」思わずきいてしまった。売ってればこれ次行くぞ、と思ったが「うん、持ってきたんです」との返事だった。焼酎は持ってくるべきだったー。
A-2区画は自分とH山H男さんの二人かな?ゆっくり寝られるな、と思っていたら窓から外を見ると白人の外人男性が一人下りてきた。目が合った。向こうが手を振るのであわててこちらも手を振る。その人がA-2に来て3人に。
オーストラリア人で東京のサラリーマン。5日間休暇をとり、広河原→熊ノ平→三伏峠。三伏峠から12時間かかったらしい。明日は茶臼小屋まで行くそうな。とても真似できない。まわりからも「超人!」の声。「超人」って何という顔をするので「スーパーマン」と訳してあげた。スーパーマンにマクビティのチョコビスケットをもらった。
17:15夕食。名前が呼ばれる。食堂に下りていく。すごいボリューム、食事の内容が。とんかつにキャベツ山盛り。ソバもあり、とてもご飯をおかわりする気にならず。酒にも手が出なかった。腹いっぱい。とにかく腹いっぱい。少し雨。
夕食後、部屋の調整があって(我々の区画の真下にいるおじさんが文句を言ったからだが、そのおじさんが上がってきて)A-2は4人になった。どうやら女性9人団体は赤石避難小屋で泊まることにしたらしい。
天気予報を見たくて皆さん食堂にいるが、衛星しか入らないようだ。天気予報は19:20過ぎとの事。それまで「おはよう、しずおか」の99年に放送した南アルプス特集のビデオを見る。今日登ったばかりの千枚岳、荒川三山、赤石岳が映し出される。赤石の頂上から生中継もやったようだ。7:25頃から天気予報をやったが何しろ衛星だから静岡も山梨も話しの外。おじさんが「東京なのか名古屋なのか」とつぶやく。要するにほとんど参考にならない。
焼酎を飲みながらさらにビデオを見たのだが、メニューには「焼酎お湯割り500円」しかなく、「焼酎ください」と言ったら「いいちこ」の1リットルパックとポット持って来て「どれくらいで割りますか?」というので「出来るだけ焼酎を多く」と言ったらストレートでコップ一杯ついでくれた。「あんまり売れないんで大サービスです」お兄さん、ありがとう!
20時頃、歯を磨いて寝る。雨は降ってない。
23:40頃目が覚める。暑い、トイレに行きたい。雨だ。眠れない。電波は通じない。隣のジミー(外人さんに勝手に名前をつけた)は茶臼小屋かー。どれくらい歩くんだろう。持ってきた地図を見ると11時間45分かかる。そこまで行けば光岳にも行けるかなー。地図だと茶臼小屋から光岳ピストンは10時間40分。自分が昨日と今日歩いた感じから言って明日は10時間少々、明後日は荷が軽いから10時間弱で行けそうだなー。よし、行くぞ!北海道の準備はどうするか?苫小牧でなんでも売ってるさ。
というわけでジミーに影響され、光岳まで行く事に決めてしまった。
2:30頃再び寝たようだ。
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コメント
おぉ~い!たけパパ!おはよう(^^)六日出・・疲れたよ!六日出中3日も飲んだくれてしまって でも毎日ブログ応援してたぞ!たけパパの作文は長くて酔っ払って読んでると眠くなっちゃうからまだ あまり読んでないです(^^)でも岳人君のはちゃんと読んだぞ!たけパパより頭よさそうじゃん(^^)作文書くの上手だし・・・旅ちゃんは元気ですか?オヤジ!のPCに岳ちゃんと旅ちゃんの写真添付してメールしてよ!今度、息子さん2人連れて神戸においでよ!4人で飲んだくれましょうよ(^^)9月は決算だから東京には帰れそうもないな・・・でも9月末にうちの奥様が来てくれる予定だからラブラブで温泉行こうと思ってます。
投稿: オヤジ! | 2006年8月31日 (木) 08時31分
オヤジ!も今日は休みか?
やっと南ア第2日目、完成したからじっくり読んでくれ。
休憩のあと3日目記入に突入するぞ!
投稿: たけぱぱ | 2006年8月31日 (木) 09時15分
ブログのコンテンツも随分と上達してるね!
写真もきれいに取れているし、また配置もいいね。
読んでいておもしろいよ。
この調子で次も期待してるよ。
投稿: H隊員 | 2006年8月31日 (木) 21時44分
こんにちは、かつりんといいます。
百間洞で同宿でしたので記念カキコします。
ちなみにコースは逆で、次の日は赤石登って椹島に下りました。
自分はD1の区画にいました。
そういえばソロの人たちのエリア、なんだか盛り上がってましたよね。
ウチらは小屋ではほとんど寝てました。あ、天気予報は見ましたけど。
八名信夫さん、確かに雰囲気ありました(笑)。
投稿: かつりん | 2006年9月 4日 (月) 00時38分
かつりんさま、カキコありがとうございます。
単独行は他チームの人たちと話す機会が多くなるので、今回もたくさん友達ができました。今はネットやメールで気軽に連絡がとれるので便利になりましたね。手紙はなかなか勇気が必要ですから・・・
食堂でTV(ビデオ)を見ていたときに小屋番のお兄さんに弁当を「3時半に」と言ってたのがかつりんさんでしたかね?
百間洞はエビス、八名信夫さん、ジミー、食事のボリューム、「おはよう、しずおか」VTR、(自分的に)茶臼小屋まで行く決断、といろいろ印象が残る思い出の小屋になりました。
来年以降、友人をさそってまた行きたいと思っています。
投稿: たけぱぱ | 2006年9月 4日 (月) 05時53分