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2006年9月 7日 (木)

北海道遠征第三日目

2006年8月27日(日)、3:00頃目を覚ます。

ほとんどの人が起き出しているようだ。

自分は寝袋に入らないで、ただ体の上にかけて寝てしまったようだ。それでも全く寒くなかった。

今日も急ぐ旅ではないので、横になったまま昨日の登頂のことや、今日の予定、明日の羊蹄のことなどを考える。

4:00薄明るくなってきた。トイレに起きる。ここのトイレは板で囲っただけの青天井。川に行く。新しいトイレを作る計画はあるようである。そのためのアンケートを山小屋でとっていた。

完全に明るくなった頃、荷物をざっと片付けて食事に下りる。

H隊員カップ焼きそば。私はラーメンを2食ゆでて、食べきれないのでH隊員におすそ分け。H隊員も焼きそばをくれようとするが少しでいい。生まれついての貧乏症なので「山で沸かしたお湯を捨てる行為」どうも好きでない。それに焼きそばはノドも乾く。

紙コップのコーヒーが一つだけ残っていたのでH隊員と半分ずつ飲む。普段ホットのコーヒーはあまり飲まないのだが、旅に出るとなぜか飲みたくなる。なぜかはわからない。

ザックを2階から下ろし、小屋のサンダルを(一昨日の渡渉で)まだぬれているズックに履き替えて、2泊した幌尻山荘を5:55出発。

つい最近2泊したのは南ア南部の茶臼小屋である。茶臼小屋を出るときにも思ったことだが、2泊した小屋は「すでになんだか懐かしい」。幌尻山荘も然り。

二晩お世話になった小屋に別れを告げる。

「ありがとう。さようなら。また来るねー」

さあ、渡渉開始だ。

一昨日に比べて水量は少ないようだ。このくらいの水量ならもう慣れたものである。浅いところよりも「流れのゆるいところ」を選んでぬれるのもかまわずジャブジャブ渡る。

一昨日は「最後の人たち」になってしまったくらいだから渡渉中誰にも会わなかったが、今日はゾクゾクと登ってくる人たちとすれ違う。

6:50少し休憩をとり、写真を撮る。Dscf0429渡渉中転んでもいいようにザックの中の荷物はビニールでグルグル巻きにしてあるので、多少なりとも渡渉の雰囲気を伝える写真はこれ一枚しかない。

渡渉の回数は当然と言えば当然だが水量によって変わってくるのだろう。一昨日は23回くらい数えた渡渉回数も、今日は20回くらいの勘定になった。まあ、お世辞にも正確に数えたとは言えないが。

7:39、取水口のすぐ上、ハシゴのあるところに到着。団体さんがゾロゾロとハシゴを下りてくるので、ここで靴を履きかえることにしよう。

足を拭き、登山靴に履き替えているとなんだか「一仕事終えた」ような、不思議な気分だ。団体のおじさんおばさん達がゾロゾロ前を通っていく。「下りてこられたんですか?」「昨日幌尻に登られたんですか?」

「一仕事終えた」人とちょっと不安な「これから登る人」とのすれ違いである。

8:10、取水口発。ここからは車も通ることの出来るラクな道。しかも下りである。天気も好し。ルンルンで下ってゆく。一昨日撮り忘れた取水口やゲートの写真を撮りながら下る。名もない滝で水を汲んだりしながら。

9:05本ゲート。9:36仮ゲート駐車場到着。

さて次に目指すは羊蹄山である。深Qさんは後方羊蹄山(しりべしやま)と呼ぶ。正式名は後方羊蹄山で通称羊蹄山でいいと思う。

時間もあるのでH隊員は支笏湖や昭和新山に寄って行きたいという。けっこう、けっこう。どうせそのあたりを通るので、寄って行きましょう。その前に冷たいペットのお茶かコーラを買いたいな。

ほぼ来たのと同じ道をたどる。対向車がまったくと言っていいほどない。H隊員もしきりに感心している。

芽生(メム)の集落で初めて店を見つけた。よろず屋さん風の酒屋さん。H隊員はアイスを私は迷った挙げ句、ガラナにした。「ガラナ」!なんて懐かしい響きだろう。北海道以外ではあまりきかないから北海道にしかないのだろうか。コーラの味を覚えるまでは炭酸と言えばガラナか三ツ矢サイダーかリボンナポリンだったな。リボンナポリンも北海道限定だろうな。

懐かしいガラナの味を楽しみながら車は国道237号に出、富川からはタダの高速道路で苫小牧まで。支笏湖に向かう。この道はクマが出る道であるがこれだけ車が多ければ、クマも危なくて出てこれないだろうな。

ちょうど12時頃、支笏湖に到着。駐車場もかなり車が多い。今日は日曜日である。駐車料金410円を払って少し外れの方に車を停める。

まずは支笏湖をバックに記念撮影だ。H隊員はゴミの袋を持っている。どこかに捨てるつもりらしい。

湖を見ながら食事が出来る、安めの食堂に入る。H隊員はピラフ、私はラーメンを食べる。生ビールもあったが運転手に遠慮してグッとこらえる。H隊員「本当はビール飲みたいんじゃないの?」私「飲みたいがエチケットとして我慢する」H隊員「ラーメンばかりで飽きないか?」私「ラーメン大好きだから大丈夫」。そう、私は一日三食麺類でもOKの「麺食い」である。特に札幌ラーメンは死ぬほど大好きである。

ピラフを食べ終えてトイレに立ったH隊員はゴミ捨てと携帯充電をしに行ったようだ。ニコニコして戻ってきて「家に『元気だ』ってメール打たないとなっ」愛妻家である。奥様は「としえ」さん。ちなみに一緒にすんでいるH隊員の父上は「としお」さん。H隊員は「としあき」さん。今度林家(はやしけ。はやしやと読まないで!)に行ったら「としちゃん!」と大声で叫んで三人とも返事をするかどうか試してみたいと思う。

次の目的地は昭和新山。洞爺湖・有珠山・昭和新山といったところは札幌の小学6年生だった私が修学旅行で36年前に最初に訪れたところである。明日天気がよければ羊蹄の頂上から見えるはずだ。高校生時代に2度羊蹄に登ったが、2度ともガスでほとんど眺望は得られなかった。

支笏湖から洞爺湖に向かう道。これまたいつクマが出ても不思議ではないが、残念ながらクマには会えぬまま洞爺湖に着いてしまった。

支笏湖と洞爺湖は近くにあって二つとも大きな湖だが対照的であり、支笏湖が「冷たい、山の湖」であるのに対し洞爺湖は「暖かい、温泉地の湖」である。

車は湖沿いの道から昭和新山へ行く道に入る。すごい人出である。2度警備員に止められ、その度に「火祭りですか?」ときかれる。「違います」と言うと通してくれるのだが。ステージの造りや客席の向きからいって「火祭り」とは「昭和新山が噴火したように花火を打ち上げる祭り」のようである。ゆっくり昭和新山を観察している雰囲気ではなさそうなので一人ずつ昭和新山をバックに写真を撮る。お土産やさんも稼ぎ時とばかりに店の前に台を並べて色々な食物を売っている。つい、つられてソフトクリームとたこ焼きを買う。Dscf0435

あとは今日の宿に向かうだけ。カーナビを比羅夫駅にセット。わかりやすい。今日の宿は「駅の宿 ひらふ」である。テレビにも何度か登場しているのでご存じの方も多いと思う。

Dscf0436 16:30、宿に着いたがコンビニに寄るのを忘れた。宿の奥さんにコンビニの場所をきくと「スキー場の方。車で10分くらいの所にセイコーマートがある」というのでひらふスキー場の方に向かい、コンビニでペットのお茶とバナナを仕入れる。

そういえば昨年利尻に登った時にもセイコーマートでバナナ買ったなー。H隊員はパンなども仕入れたようである。駅というか宿に戻って「チェックイン」かと思ったら「こちらにどうぞ」ということでログハウスに入った。

先客が一人いる。富山から来た山崎さん。山崎さんも明日羊蹄に登るそうだ。部屋には水洗ではないがトイレがついている。清潔である。二段ベッドがあり、その上がロフトになっていて三人分の布団が置いてある。五人部屋ということですね。二段ベッドの下段は山崎さんが使っているので上段を私が、ロフトにH隊員が寝ることになった。二段ベッドよりさらに上にハシゴを登るのだが、昨晩窮屈そうだったH隊員は足が伸ばせるのでうれしそうである。私としても山小屋に比べたら「天国」としか思えない。

山崎さんはフェリーと18きっぷでここまで来たそうだ。かなりの鉄ちゃんである。そんなことを話しているうちに列車が到着。ログハウスもホームに面しているので窓から列車が見える。鉄ちゃん二人(山崎、私)は大ハシャギで写真を撮る。Dscf0438

←山崎ベッドから撮影

通常は「メシの後に風呂」だそうだが、宿の家族(南谷さん夫婦と三歳一歳の息子さん)が入ったあと「よかったら食事の前にどうぞ」との事でお待ちかねの丸木風呂に入る。H隊員と私の入浴中の写真もあるが諸般の理由により掲載は差し控えさせていただく。Dscf0439_2

Dscf0440_1 Dscf0441 

私達の次に山崎さんも風呂に入る。南谷さん「あと一人女性が6:13の汽車で来るので夕食はその時間でいいですか?」今日はこの4人だけとの事。

駅舎の1階が待合室と談話室(兼食堂)になっている。談話室にはビールやジュースが冷えており、勝手に取り出して自分で料金箱に金を入れるシステムになっている。この「客を信用したシステム」が私は大好きで、すぐビールに手が出てしまうのである。山小屋二泊は焼酎だけだったし、ここには「サッポロクラシック」があるし、飲まないと宿とクラシックに対して失礼にあたるのである。

ビールをちびちびやりながら談話室でパソコンなどいじっているとメシの時間だ。

ホームで炭火焼きジンギスカンである。鉄ちゃんとしてはたまらない状況ではないか。もっともTVでも見ていたし、HPでも見てきたのであるが、やはり現場で実際に体験してみないとね。

H隊員と先に二人で食べ始める。山崎さんも風呂から上がって席に着く。どんどんビールがすすむ。なにもかもうまい。そのうち6:13になり、女の子が列車から降りてくる。Dscf0444

←食べているところから撮影させていただきました。

部屋に荷物を置いてきた女の子もメシの席に着く。

遠慮してか、端っこの方で肉を焼いているのでオジサン三人で「もっと真ん中で焼かないと」と世話を焼く。知床の民宿でバイトしてきたそうで、横浜の大学二年生。よく食べる。焼きオニギリを食べた後、ご飯を2回おかわりしていた。Dscf0446

←ホームでの夕食。19:11下り小樽行き。

今夜も星が見えている。明日の晴天はまちがいなし。

H隊員と二人でビール5本(350m4本、500m1本)も飲んでしまった。まだ飲み足りないがなにしろ腹がいっぱいだ。自分の焼きオニギリはほとんど手をつけず、明日のおやつにする。他にも朝と昼の弁当をたのんでいるのだが。

パソコンをいじりたかった(このブログへの書き込みがしたかった)が、女の子が使用中なのですぐあきらめた。明日は4時起きだ。今日のうちにビール代を含めた宿代の精算を済ませて、歯を磨いて寝る。

ふかふかの布団で眠れる幸せ。ずーっと前から一度泊まってみたかった宿に泊まっている幸せ。期待を裏切られなかった心地よさ。H隊員も満足してくれただろう。

そんな事をぼーっと考えながら幸せな眠りに就きました。

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コメント

こんにちは!

キャンプとか、山登りとか、BBQとか、
やりたいんですが・・・、踏ん切りが・・。
子供にも体験させてあげた~い!

車は4WD、キャンプセットも昨年買いそろえ
ましたが、一度も活用した事がありません。

ほんっとに、駄目パパですね~!
恥ずかしい。
この秋こそは・・・・・。

グチっぽくなったんで、
応援しときますね、ポチッ!

投稿: マグロ君 | 2006年9月 7日 (木) 13時36分

「マグロ君」応援ありがとうございます。
せっかくキャンプセット買い揃えたのなら、是非この秋レッツゴー!!
一度体験すれば、次はお子さんの方から必ず声がかかること間違いなしです。きっと忘れられない体験となることでしょう・・・

ホームでの焼肉ジンギスカンとビールのおいしかったこと、反対側に寝ている人の足を気にせずに思い切って足を伸ばして寝られる幸せ、どっしりと構えた羊蹄山の眺め・・・どれをとっても貴重な体験ができたのも、たけぱぱ、君のおかげだ、どうもありがとう!

それから、宣伝するわけではないですが、「駅の宿ひらふ」は一度体験してみる価値は十分にありますので、ご興味のある方は是非連絡してみてください!

投稿: H隊員 | 2006年9月 7日 (木) 22時27分

H隊員へ、
友に喜んでもらい、これ以上の幸せはない。
念願の幌尻の頂上に立てたのはひとえに友のおかげだ。

8月18日の大雨で4日間も幌尻山荘に足止めを食らった人もいたそうだ。
今回は「ツキ」も我々に味方したようだ。
天候にも恵まれた。
あと1日でもズレていたらこううまく行ったかどうか???

H副隊長もどうせ会社を辞めるんだったら一緒に来ればよかったのになぁ!その時は「辞める」なんて夢にも思わなかったんだろうけどな。惜しいことをしたなぁ。

「駅の宿 ひらふ」は楽しかったね。南谷さんがほぼ私の思っていたとおりの人だったので、私もすっかりファンになりました。また泊まりに行こうと思っています。

明日(9月8日)は「北海道篇」の仕上げにかかります。
仕事から帰ってきて「楽しく」見てくれればうれしいです。

投稿: たけぱぱ | 2006年9月 8日 (金) 01時04分

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