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2006年12月10日 (日)

2004年12月 屋久島にて。PART3

2004年12月2日、屋久島YHで3日目の朝を迎える。

一人で白谷雲水峡に行くつもりで、前日おおよその計画は立てておいた。

朝食の席につく。

ここで少しYHの建物の解説をしておくと、

①受付棟(ペアレント夫妻が住んでいる)

②本館「すぎのき」(食堂・宿泊の部屋・風呂)

③別館「すぎのこ」(宿泊棟)

④新館「すぎやま」(宿泊棟・ひのき風呂・談話室)

他にもあるが省略して、今回は12月ですいているので宿泊は全員④の新館である。

ご飯は②の本館でいただく。

さて、朝食は昨晩と同じく私・女の子・韓国の母娘の4人だった。

こじんまりとしており、当然のことながら「どちらから?」もしくは「今日はどちらへ?」という会話になるわけです。

母娘は早めに食べ終わり、席を立った。

ではでは、私から女の子へ「どちらから?」と訊こうと思ったら、女の子の方から、

「今日はどちらへ?」と訊かれました。

私「白谷雲水峡です」

女の子(以下、T子さん)「どうやって行くんですか?」

私「タクシーで」

T「なら、一緒に行きません?」

ということで、母娘とはもう一緒に行く話がついていたらしく、4人で行くことになった。

YHからバス停までは少し歩くので8:31発のバスに乗るから8:10に談話室集合である。

一人で行くつもりが急に4人になったので「心ウキウキ」状態で準備をする。

「平内入口」というバス停から島をほぼ1周するバスに乗る。島の西側は「西部林道」になっており、一般車は通れても大型のバスは通れない。

毎日お世話になる島一周の道路をバスで宮之浦方面へ。

行きのバスではT子さんの隣に座る。

屋久島へ行く直前にバリ島へ行っていたのでその話から。T子さんは札幌の人だそうで、どうやら私が中学生くらいにウロウロしていたところの近くにお住まいのようだ。南の島で超ローカルな札幌西部の話で盛り上がる。

約1時間10分バスに揺られ、宮之浦に到着。T子さんと話してたのでアッという間だった。

「ヤクデン」というスーパーで弁当や飲み物を買う。カップ式のインスタントコーヒーが欲しかったが売っておらず、スティックタイプのコーヒー・シュガー・クリームを買う。

宮之浦の「まつばんだタクシー」事務所へ行く。昨日お世話になったのは安房の事務所である。

前に私、後ろに女性三人が乗ってタクシー出発。

事務所が違うので運転手さんは昨日と違って若い人である。

運転手「どこにお泊りですか?」

私「YHです」

運「そういえば昨日うちのタクシーが縄文杉に行く人を朝5時に迎えに行ったって言ってましたねー」

私「それは私のことですが、縄文杉ではなくて宮之浦に登ったんです」

そして帰りに島のお母さんに車で拾われたこと、11月まではバスで白谷へ来れたこと、15時にまた「白谷広場」に迎えに来て欲しいことなどを話しているうちにアッと言う間に白谷広場に到着。

天候は曇り。気温は10度前後だろう。風はないので長袖のカッターシャツ一枚でOKである。

白谷の入口に管理事務所があり、一人300円を払い、「東京から」「北海道から」。

母娘の分はT子さんが「韓国から」と言ってくれた。

10:39、白谷広場発。いろんな人が使ったであろう杖がわりの棒がころがっているので一本使わせていただく。

T子さんは「もののけ姫」の「太鼓岩」まで行きたいらしいが、あとの二人は歩けるだろうか?私とT子さんとの地図を見ながらのそんな相談を、逐一英訳して伝えている。ウーン、なんかスゴイ人だT子さん。

まあ、いけるところまで行ってみよう。ということで「太鼓岩」めざして歩き出す。

52歳のお母さんは韓さん(ハンさん)。娘さんは26歳だったかな李さん(イさん)。

途中、休憩は入れるが、時間の制約があるので前を歩く私とT子さんがどうしても「急ぎ目」になる。振り返り、自重しながら歩く。

時々植物の「解説板」などがあり、休憩がてら見ているとそれもT子さんが英訳して伝えようとしている。鹿がいる。Dscf0519_2 左は私撮影。右は李さん撮影。

100_0099s_1

12:05、辻峠。ここから4時間歩けば縄文杉に会える。しかし今回の私の日程には縄文杉は入っていない。

雨がパラついてきた。が、カッパを着るほどではない。

ここから太鼓岩への登りはややキツイ。木につかまりながら高度を稼ぐ。

12:24、太鼓岩。だれもいない。

お湯を沸かしている間に、弁当を食べたり撮影をしたりと忙しい。コーヒーを皆さんにごちそうしたいがシエラカップ一個とテルモスの蓋しかない。シエラカップ一個で母娘回し飲み。蓋で先にT子さんに飲んでもらい、T子さんもその様子を察して

「急いで飲みますねっ」

気をつかわせ、申し訳なし。あとで私もコーヒーいただきました。でもうまかったす。

景色の方は霧がかかり、今ひとつ。Dscf0522_1

←小杉谷

そのうちに1パーティ登ってきたので4人で記念撮影。Dscf0521_2

13:00、太鼓岩をあとにする。

13:39、もと来た道を戻るか「原生林コース」に行ってみるかの分かれ道。T子さん情報では白谷広場まで1時間半。T子さん訳「ディファレント・コース」

「よし行こう!」絶対こっちの方が面白い。

行って正解。もののけ姫の世界そのものである。

14:00、奉行杉のあたりで他のパーティに追いついたときにT子さんが「あとどれくらいで着きますか?」と訊いてくれて「あと1時間」との答えをもらう。

皆ほっとしたのか写真をどんどん撮り出す。Dscf0524_114:23、三本足杉。

Dscf0525 100_0070s_1

100_0072s

左2枚は私のカメラ

右2枚は李さんのカメラ

100_0074s←飛竜落しの滝をバックに。李さんのカメラ

14:55、白谷広場到着。先ほどの運転手さんが待っていてくれた。

↓その運転手さんに撮ってもらった一枚。

Dscf0526_1

タクシーの中で運転手さんとの会話。

運「YHはどれくらいで泊まれるんですか?」

T「2500円です。」

運「民宿の方が安いわね。ご飯はどうですか?」

皆「おいしいですよ!風呂も気持ちいいし!」

やはり、皆そう思ってたんだな。

運「ところでガイドさんは英語できるんですか?」

ヘッ?ガイドさんて?オイラのことか?

私「私のことですかー?私ガイドじゃありませんよー。YHで一緒になっただけですよー」

まんざらでもないが・・・

そういわれてみると一人だけ山ヤさんらしくはあるかな。それにバリ島行ったばかりで顔黒いからね。

宮之浦に李さんが会いたい人がいるらしく、私の携帯が通じるところになったら携帯で連絡するから貸してくれと。

ところが環境関係の「○○センター」にいるらしいのだが、「環境文化村センター」なのか「環境保全センター」なのかどっちだろう?と、李さんとT子さんで話している。「和田さん」という名前が聞こえてきて、

運「和田さんなら知ってますよ。環境文化村にいますよ」

皆「なんで知ってるんですか?」

運「一度、通訳をたのんだことがあるし、飲み屋で一緒になったこともあるんですよ」

携帯が通じるようになったところで無事、和田さんと連絡がとれた。

15:25頃、「環境文化村センター」に着いた。

まず、大型スクリーンで屋久島の映像を見てくれとのこと。

和田氏「500円かかるけど、いいですか?」

皆「問題ないです」

4人だけで大きな会場を独占して、素晴らしい映像を見ることが出来た。これで500円はまったく文句ない。

が、バスの時間が・・・

15:50、和田さんが時間を告げに来てくれ、映像は少し最後が見れなかった。

ロビーで李さんが韓国からのお土産を渡す。李さんも環境関係のお仕事らしい。

500円払おうとしたが、「最後まで見れなかったし、いいですよ」 アララ・・・

バス停まで和田氏に見送られ、帰りのバスは居眠りをしたり、ミカンを韓さんからいただいたり。山歩きの途中でもお菓子をたくさんいただいた。こちらはあげるものがなくて申し訳ない。

島一周の道路のところどころに赤い花が咲いている。

T子さん「あれなんという花ですか?」

私「椿です」札幌では椿咲かないもんなー。

YH到着後、風呂。まったく気持ちいい。この年の流行語「超気持ちいい!」

生ビール・焼酎をいただきながらおいしい夕食。ホントにおいしい。そして三人娘(一人52歳だが)との楽しい会話。英語がもっとうまければなー。名古屋から来たという男の人(花田氏)も話に加わる。

花田氏「明日は皆さんどちらへ?」

3人娘「縄文杉ツアーです」

私「島自転車1周です」

一同「エーッ」

花「やめた方がいいですよ、西部林道はけっこうアップダウンありますよ」

私「なんとかなりますよ」

それをきていたのかヘルパーの「ほっしー」君、

「10時間ですね。大丈夫ですよ」

一同「10じかーんー」

こちらはそれよりも「オイラ以外みんな縄文杉かー。どうしようかなー」と心が揺れ動いていたのである。

新館談話室で話の続き。ビールを飲みながら、韓国と日本の違い・チョナンカン・隣の口永良部島のことなど、話は尽きない。

そのうちにこの談話室で明日の「縄文スギツアー」のオリエンテーションが始まった。

自分は少し離れてそれを見ていた。

「一枚撮っていいですか?」Dscf0527_1

←オリエンテーションの様子。真ん中はYHのマネジャー

今日も同室者なし。山登りは朝早いからということで分けられたようだ。でも明日は縄文杉ツアーの人たちは5時起きらしい。

私は朝飯をいただいてから出発の予定。どういう回り方をするか、どこに寄っていくか、ざっと計画を立てて就寝。

PART4へ続く・・・

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コメント

6泊7日って、ロング休暇ですね~(^^;

たけぱぱさん、いい旅してる~♪
屋久島、わたしも行きたいなぁ。

投稿: まゆ太 | 2006年12月10日 (日) 11時14分

まゆ太さん、
みーたーなー・・・
工事中に見ちゃいましたね!
コメありがとさんです。
ブログ始めたときから「屋久島」は気になってたんですよ、ずっと!
この前「害獣芝居」見に行って「がんばってるなー」と思い、
オイラもがんばらねーと。仕事か?山か?ブログか?
なーんて渋谷で芝居見たあと新宿「番々」で一人考えながら飲んでいたわけですよ。「で・す・よ!」
そしたらT子さんのこと思い出して、「よーし、そしたら屋久島(超大作)やってやるべー」と思ったわけなんだすよ。
PART4以降もよろしく哀愁!

投稿: たけぱぱ | 2006年12月10日 (日) 13時03分

屋久島は一度は行ってみたいけど、今は時間が作れないい
い。(T_T)
嬉しそうな笑顔ですね。

投稿: ナッキー | 2006年12月10日 (日) 14時59分

読ませていただきました。ほのぼのとしていて、たけぱぱの人柄のよさが伝わってきます。旅行や山行でこのような方とご一緒できたら本当に楽しく心強いですね。たけぱぱさんにマイミクさんになっていただいて本当によかったです。これからもよろしくお願いします。応援していますよ!

投稿: リリーマーレン | 2006年12月10日 (日) 22時33分

私も一緒に白谷雲水峡に登ってる気分になりました 笑
本当にもののけ姫の世界ですね。。
こだまが住んでいそうですね…♪ 

PART4も楽しみです(≧~≦)

投稿: no.el | 2006年12月10日 (日) 22時37分

知人がテント泊で強行縦走したそうですが
たけぱぱさんは、充実した旅行が出来て幸せでしたね
これからもその悪運とともに世界を制覇してください
ヽ( ̄▽ ̄)ノ ナハハ♪

投稿: オコトナ | 2006年12月11日 (月) 08時20分

とっても充実した山行してますね^^
山だけでなく、観光もかねたり、いいな~~~(*^。^*)

白谷雲水峡は1度目の時、足を捻挫していたお陰^^;で一人島内巡りのバスに乗り回ってきましたが、運転士さんが親切な方で民宿まで送ってもらった記憶があります。

できたら又ゆっくりと行きたいですね!

前のコメントで「三岳」を2月に取り寄せたではなく、2ヶ月に1度今で取り寄せているのですが、今はプレミアムが付いてなかなか屋久島の酒屋さんが送ってくれなくなりました。
それでも先週お正月に飲みたいと頼み、やっと送ってもらいました。お正月まで持つか心配です^_^;

投稿: えっちゃん | 2006年12月11日 (月) 10時02分

たけぱぱさん、美人さんと一緒ですっごく楽しそうで、よかったですね~~♪
YHに泊まるのもいいですね!安い上に、いっぱい友達できそうで(^O^)
ブログ読ませてもらってると、私も一緒に屋久島行ってるみたいで、楽しかったです。
もののけ姫の森、私も行きました。
ほんと上も下も回りぜ~んぶ苔の緑におおわれていて、神秘的な所でした。

投稿: 尚加 | 2006年12月11日 (月) 13時40分

ナッキーさん、
一泊二日というわけにはいかないですからねー。
なかなか行けないですよね。
私も今年はついに行けませんでした。
やっぱり楽しそうですか?私の顔。

投稿: たけぱぱ | 2006年12月11日 (月) 19時36分

いよいよエンジンかかってきたね。
PART4も期待してるよ!

投稿: H隊員 | 2006年12月11日 (月) 22時02分

リリーマーレンさん、
おほめいただいて、光栄の行ったり来たりです。
かあちゃんに教えてやりたいくらいです。
ほのぼのとしてますか?
あの島に行ったら誰でもほのぼのしちゃうんじゃないでしょうか?そんな気しません?
これからも応援よろしく哀愁!

投稿: たけぱぱ | 2006年12月11日 (月) 22時51分

no・elさん、
少しでも雰囲気が伝わっているようで、うれしいです。
こだまはいなかったけど、白谷には「見えない何か」が確実にいますね。
屋久島にいる、と言ってもいいかもしれませんね。
PART4も、お楽しみに!
 

投稿: たけぱぱ | 2006年12月12日 (火) 11時20分

オコトナさん、
今度行く時には永田岳に足を伸ばしたいと思っているんですよ。
そして縄文杉にもお会いしたいですね。
シュラフと食糧持って登りますかな。
その頃まで悪運は続いているでしょうか?

投稿: たけぱぱ | 2006年12月12日 (火) 11時47分

えっちゃんさん、
白谷雲水峡は何度でも行きたいですね。
2005年にまた太鼓岩まで行ったのですが、その時はどっかーんと晴れて宮之浦岳もバッチリ!その時H隊員にとってもらった写メが現在の待ち受け画面になっております。
三岳、いいなぁ。
よーし、来年は屋久島行ったるでー!

投稿: たけぱぱ | 2006年12月13日 (水) 02時40分

尚加さん、
「一緒に行ってるみたい」とか「一緒に登ってるみたい」って言われるのが一番うれしいっす。
YHは安くていいです。
この旅のときもT子さんを初めとして、たくさんの方々に元気いただいてきました。韓国から写真やTシャツいただいたし、こちらからも写真送りましたし。
今度行くときももちろん屋久島YHに泊まるつもりです。
また「もののけ姫の森」に行きたいです。

投稿: たけぱぱ | 2006年12月13日 (水) 02時55分

H隊員へ、
いつも応援ありがとう。感謝してます。
町田勤務2ヶ月がたち、慣れてきたと思ったらどうやら新橋に異動らしいよ。正式に決まったらまた連絡するねー。

投稿: たけぱぱ | 2006年12月13日 (水) 02時59分

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