週刊 日本百名山 第34号
話の都合上、順番を逆にして書かせていただきます。
1988年8月、H副隊長と富良野~十勝~トムラウシ~旭岳、4泊5日のテント&避難小屋泊に出かけた。
出発から十勝岳までの行程は十勝岳の項目でいずれまた。
●トムラウシ・・・美瑛岳への道では間違って道でないところを通って頂上にたどりつく。後ろから歩いてきた人が同じように道でないところを歩いて来ようとするので大声で「違う、こっち、こっち!」と誘導する。美瑛岳でH副隊長にもらったコーヒー牛乳は死ぬほどうまかった。
←美瑛岳頂上にて。
このあたりからナキウサギの「ツピッ、ツピッ」という声が聞こえだす。実物も何度も目にする。
←ナキウサギ
昼飯は鶏雑炊だ。卵混ぜて食ったらそれはご馳走だった。美瑛富士ではエゾコザクラの絨毯。その当時にデジカメがあったならここだけで20枚くらい撮ったかもしれない。
←美瑛富士頂上にて。
この日は双子池にテントを張る。夕食はカレー。H副隊長はウイスキーのポケット瓶を持ってきている。エビスのあとで少しだけおすそ分けにあずかる。
次の日の朝、朝食はカツ丼だ。この当時はコーヒーでなくて紅茶を飲んでたな。朝飯のあとに砂糖たっぷりの紅茶。至福のひととき。 テントを撤収。少し降っていて雨カッパを着ての出発となった。テントも濡れて重さを増している。しかし、なんだか慣れというか調子が出てきたというか、荷物も少しずつ軽くはなってきているし、ザックもひとりで背負えるようになってきた。小雨の中、軽いアップダウンを繰り返し、二つ沼で昼にする。まだ10時だけど。山菜雑炊、ことわるまでもないが全部レトルトですからね。ナキウサギに励まされ、イワイチョウの大群落に励まされ、三川台には11:50着。もうすぐトムラウシだ。このアイヌ語そのままの山名に「北海道の山!」を感じない人はいないだろう。
沼のほとりをいくつも通過して14:20、トムラウシ到着。恒例の固い握手だ。30分ほど頂上にて時間を過ごす。
←トムラウシ頂上にて。
天候も回復してきた。3時間ほど歩くとヒサゴ沼。
ここの小屋は混んでいそうだったので小屋前にテントを張る。沼の周りは全てナキウサギの住処だ。ずーっと鳴き声がきこえている。思い切り冷やしたビールで乾杯だ。夕食はそうめん。たくさん持っていったつもりだったが、飛ぶように売れた。
翌朝、食べ過ぎたのかどうかお腹の調子が悪い。横になってうなっていると心配したH副隊長が「ここで下りてもいいよ。無理すんな」と声をかけてくれる。私「悪いなー。もうチョット待ってくれないか。たいしたことはないよ」 トイレに何度も行っているうちに回復してきた。2時間半くらいお待たせしてテントを撤収。お茶漬けもほとんど食えなかったのでフラフラだ。しかし、ナキウサギとお花畑に元気づけられ1時間で化雲岳。
←化雲岳頂上にて。
ここから五色岳にかけてのお花畑もすばらしかった。なにがすごいかというとチマチマしていなくて同じ花がずーっと見渡す限り咲いていたりするのだ。唖然・圧倒という字が浮かぶ。「ヒグマ出没注意」の看板が目立つようになる。
ラジオの音を大きくする。忠別小屋近くの雪解け水がうまかった。小屋でインスタントラーメンの昼食。このとき食ったラーメンが今まで食ったラーメンの中で一番うまい。こんなラーメンはそうそう食えるもんじゃない。ラーメンで元気回復。忠別岳頂上には13:50到着。
←忠別岳頂上にて。
今朝の出発遅れで旭岳まで行けるかどうか心配になったがこの調子ならなんとかなりそうだ。なんとか今日中に白雲小屋まで行ってしまおう。今にもヒグマが出そうな道。鳥が飛び立つ「バサバサッ」という音にも飛び上がってしまう。足元には踏みつけそうなくらいにコマクサが咲いている。
また逢いに来るまで、どうか盗掘されたりしませんように。17:45、白雲小屋に着いた。テントサイトもよさそうだったが、撤収を考えると気が重い。私「テントがいいか、小屋がいいか?」 H副隊長「任せる。どっちでもいい」 小屋泊まりにした。残っている食料はカレーと親子丼。私「どっちにする?」 H副隊長「任せる。どっちでもいい」予想通りの答えである。わかっているならきかなくてもよさそうなものだが、このあたりが「阿吽の呼吸」というヤツである。カレーにした。これで明朝は親子丼に決定だ。明日は6時間ほどの歩き。毎日12時間くらい歩いていたのに比べれば楽勝だ。トイレに行くため小屋の外に出ると、月明かりに浮かぶ山の姿が幻想的だった。「あー、今オイラは山に抱かれて眠ろうとしてるんだなー」と、感傷的になるのでした
●大雪山・・・翌日は雨。小屋泊まりにしておいてよかった。雨の中のテント撤収はツライのだ。5:30出発。6:45白雲岳。8:00北海岳。
←北海岳頂上にて。
8:50、間宮岳。頂上直下の雪渓を登れば旭岳、9:40到着。ガッチリ握手だ。
←旭岳頂上にて。
11:10頃、姿見駅に到着。缶ビールとソバで乾杯だ。「お疲れさん!」
ロープウェイで下り、温泉で5日間の汗とドロを流し風呂上りにまた乾杯。バスで爆睡して、旭川の「松尾ジンギスカン」でまた乾杯。生ビールがンメーのなんの。 ここでH副隊長とお別れ。H副隊長は旭川空港へ。私は網走へ向かう列車に乗るのでありました。(二日後、斜里岳に登るわけです)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
可愛い写真をありがとう(^◇^)
投稿: ベリエ | 2008年9月12日 (金) 23時15分
ベリエさん、
ありがとうございます。
私も毎日ちーちゃんの顔見に行ってますよ。
もちろん2つともポチっとな。
投稿: たけぱぱ | 2008年9月13日 (土) 10時30分
いやー懐かしい写真ありがとう。

それにしてもこの頃は若かったねえ
もし時間が巻き戻せるなら、オイラも行きたかったよ~
でもいつか必ずオイラも行くから待っておれ~~
投稿: H隊員 | 2008年9月13日 (土) 22時23分
H隊員、
若かったねぇ~
三人で行ったらもっと楽しかっただろうね~
定年になってからでも行こうや。
待っておれ~
投稿: たけぱぱ | 2008年9月13日 (土) 23時10分