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2008年9月27日 (土)

槍ヶ岳(本編)、1日目。

山ヤなら誰にでも「憧れの山」というものがあると思います。

たとえば高校生だった三十数年前の私にとっては「日本アルプス」全てがそうでした。

しかし28年前、ひょんなことから日本アルプス初見参は槍ヶ岳でした。大学生だったH隊員と私の2名で登った忘れられない山行です。

当時は新宿から出る通称「信州夜行」なる列車がありまして、新宿駅「アルプス広場」に並び、列車では通路に新聞紙を敷いてゴロ寝。松本で早朝下車。新島々まで松本電鉄。バスで上高地。

そこから雨の中を9時間半かかって殺生ヒュッテ。殺生に宿泊。

翌日槍ヶ岳に登頂。山頂ではH隊員の誕生日を祝う。霧で何も見えなかったが、ブロッケン現象が見れた。

その日に上高地に下って河童橋の袂でビールで乾杯しました。

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私の「そんな想い出の槍ヶ岳」に憧れを抱いているという人が仲間にいるということを、1ヶ月くらい前に知りました。みほさまです。

みほさまとはこれまでに大菩薩・木曽駒・赤岳で山行をともにしています。通称「文学少女」。

今年8月下旬に中房から大天井までは行ったのですが、雨でその先の行程を断念して下ってしまったそうです。

みほ「また槍にリベンジした~い。たけぱぱ様、槍ヶ岳もありあり大辞典ですか?」

私「ありあり大辞典でございます」

というわけで9月22・23日の2日間で「みほさま槍リベンジ大会」となったわけです。

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2008年9月21日(日)20:40に仕事を終え、登山靴に履き替えて中央線で新宿に向かいます。

新宿西口に出てコンビニで飲み物・つまみ・おにぎりを買います。

23時に出る「さわやか信州号」に乗る予定なので22:30集合なのですが、21:45には都庁の地下駐車場に着いてしまいました。

受付を待っている人たちに混ざって適当に腰掛け、さっそく缶ビールを開けます。みほさまにメール、

私「都庁の駐車場に着きました。時間まで缶ビール飲んでます」

み「は~い。まだ電車です~。向かってます~」

周りは関西に行く人・信州に行く人・尾瀬に行く人、と言ったところだろうか。今から夜行バスで尾瀬に行くという年配の女性と少し会話。尾瀬に行くには往復バスにしたほうが安上がりなようだ。

やがて時間になり、みほさま登場。バスの受付を済ませる。

私「ところで、たまちゃんは?」

み「まだ来てないっす。30分前に集合って言わなかったっけかな~」

と言ってるうちにたまちゃん登場です。

これで三人そろいました。

ザックをバスの腹に放り込み、席につくとみほさまは早くもお休みになっています。そういえば「私なんだかいますぐにでも寝れそうっす」と言っていました。

23時を少しまわってバスが出発。乗務員から予定時間・休憩場所などの案内があってからバス内は消灯。

消灯と同時に缶のウーロン酎を開け、アルコールの勢いを借りて眠る体制づくりをします。

日付けが変わって22日(月)0:24、談合坂に到着。Dsc03230_4

0:40、談合坂発。ここから少し眠れたようです。

2:46、諏訪湖S.A.着。3:15発。大粒の雨です。

ここから眠ったのか眠ってないのかわからないうちに4:33、新島々BTに到着。何名か乗り換えで降りていきます。

大正池、帝国ホテルでも何人か降りて、5:30に上高地BTに到着。

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←さわやか信州号、上高地に到着です。

朝飯のおにぎりなどを食べ、洗顔・トイレなど済ませます。

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←ストレッチするたまちゃん。イス・テーブルが濡れていますが、雨は降っていません。

「ファイト~、マッスル、マッスル!」で気合を入れて、6:00歩行開始です。

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←河童橋の袂にて。

ここで「たまちゃんとは何者か?」のお問い合わせにお答えしましょう。

みほさまの職場のお友達です。若いです。目がパッチリしてます。笑顔の可愛いお嬢さんです。

ということはお会いすればわかることなのですが、果たしてどれくらい歩けるのか。

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←明神までの道。梓川沿いに。

そういうときには私が先頭に立ち、最初はゆっくり、徐々に徐々にスピードを上げ、どこまでついてこれるか様子を見ることにしています。

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←6:45明神着。Dsc03236_40

6:55、明神発。

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←この雲の感じがなんとも言えません。Dsc03238_40

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←7:41、徳沢園前に到着。

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7:53、徳沢発。

みほさまは当然のことながら、たまちゃんもピッタリついてきます。みほさまとのおしゃべりも絶えません。余裕の表情です。

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←8:45、横尾着。

少し長めの休憩をとってエネルギーと水分の補給。

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←横尾大橋を渡れば穂高岳方面ですが、今回目指すのは槍ヶ岳です。

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←距離的には半分ですが、時間的には三分の一にも満たない。

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9:01、横尾発。横尾までは林道だが、ここから先は槍沢に沿った山道になる。

9:20、ポツっと来たと思ったら本降りに。雨合羽を着る。歩くスピードもややゆるくなる。

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9:40、槍見河原。

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←9:58、一ノ俣。

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←吸い込まれそうな青い水の色。

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←28年前、確かにこんな道を歩いたなー。

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やがて雨もやむ。

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←ゴゼンタチバナの実。Dsc03257_40

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←ゴゼンタチバナを携帯で撮るみほさま。たまちゃんもデジカメで。

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←10:31、槍沢ロッジ到着。

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←ちょっと早いが槍沢ロッジ前で昼飯にする。

ここで雨合羽も脱いで、たたんでしまう。

11:09、槍沢ロッジ発。

Dsc03262_40 Dsc03263_40 合羽も脱いだのでスピードも上がる。地面も濡れていない。標高の高いところでは降っていなかったようである。

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←11:34、ババ平到着。小休止。Dsc03265_40

←ペットボトルに水を汲む。冷たい水がウマイ。Dsc03266_40

←この先も槍沢をつめていくのだ。Dsc03267_40

11:40、ババ平(槍沢小屋跡)発。

Dsc03268_40 ←み「ちょうどクリスマスツリーみたいな形っすね~」

たま・私「ホントだ~」

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←ヨツバシオガマ

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←このあたり相当スピード上げてますが、二人ともピッタリついてきます。

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←トリカブト

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←時々は後ろも振り返る。いい眺めだもの。

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←12:03、槍沢大曲。

槍沢ロッジからここまで地図のコースタイムは1時間40分となっているが、1時間かかりませんでしたね。

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ピッタリついてきた割に、みほさまは「たけぱぱ、鬼かと思ったわよ」と、のたまうのでした。

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傾斜がきつくなってくるのと比例して、眺めもよくなってきます。

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←立ち止まり、風景を切り取るたまちゃん。

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←ナナカマドの木に赤い実が生っています。

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←オヤマリンドウ

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←疲れも吹き飛ぶ景色だ。

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←13:15、天狗原分岐。

時々、陽が射してくる。槍の姿が見たい。

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←つい最近まで雪があったのだろうと思わせる花。そして地形。

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←ハイマツも現れる。

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←タカネツメクサ

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←ウサギギク

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←ウラジロナナカマド。赤くなってきています。

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少しずつ空が明るくなってきました。

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←ここから上はゴーロ帯です。

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←14:18、坊主の岩屋。一昨年10月に笠ヶ岳山荘で『槍ヶ岳開山』を一気読みしたことを思い出します。笠ヶ岳登頂レポはコチラを>>

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←播隆上人が籠ったという岩屋。

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←イワギキョウDsc03296_40

←殺生ヒュッテが見えてきたと思ったら槍の頂上も、もう少しで見えそうだ。槍の左肩に槍ヶ岳山荘も見える。

皆、一斉に「あとちょっとだ、見えそうだ。ガンバレ、ガンバレー!」

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←そしてついに穂先まで見えた。

皆「見えた、見えた。やった~!」

女子二人もカメラを取り出し、バシバシとシャッターを押す。

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歩いているうちに雲もスッキリ取れて、みほさまとの2ショットをたまちゃんに撮ってもらう。

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←スッキリと見えた槍をバックに。殺生ヒュッテも近づいてきた。

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←だんだん青空も広がってきた。

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←14:56、殺生ヒュッテに到着。

「なんとか16時には殺生に着きたい」と思っていたが、1時間以上早く着いた。

たまちゃん「どうでした、ペースは?」

私「早い、早い。よくがんばりました」

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←殺生ヒュッテの受付で。みほさまが予約してくれましたので。

1泊3食を3人分お願いする。(明日の昼の弁当を含む)

雨合羽を玄関付近に干し、靴を脱いで2階に行くと28年前がよみがえってきた。そうだ、こんなカイコ棚の寝床だったよな。

指定された「1下」という区画に行くと、丁度三人用の区画だ。

みほさまが真ん中ということで寝場所を決める。

私「(カイコ棚の)上に行ってジャージに履き替えますから、着替える方はその間にどうぞ」

着替えが終わって、お待ちかねのビールタイムだ。

つまみになりそうなものを持ち、受付で缶ビールを買って小屋の外のテーブルで乾杯だ。

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←槍の頂上を眺めながらのビール。なんと贅沢な。

ビール1本を飲み終わると眠くて眠くて仕方がない。

小屋に戻り、布団にもぐって一眠り。

4:50に小屋のスタッフが呼びに来た、「お休みのところすみませんが、夕食の用意が出来ました」

一眠りしてる間に雲が出てきたようで、玄関の外は白い世界になっている。

食堂には三人分しか夕食の用意がない。どうやら今夜の宿泊客は我々だけのようだ。

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←我々しかいない食堂。

テレビで大相撲を見ながらおいしくいただく。

大相撲のあとは麻生新総裁の就任会見。

そのあとに長野ローカルのニュース。天気予報。明日は晴れの予報。

天気予報が終わったところで19時、腰を上げる。玄関を出てみると降る様な星空だ。槍ヶ岳山荘の明かりも間近に見える。

皆「明日は間違いなく晴れますね」

歯を磨きに洗面所に行くと鏡に「○○山岳部」(○○は私が所属する会社)の文字がある。30年以上前に寄贈したものであろう。ちょっとビックリした。

19時半くらいには布団にもぐって寝てしまった。

女子二人も消灯の20時までには寝たようである。

槍ヶ岳(本編)、2日目に続く>>

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コメント

うへ〜!
またそんなに速いペースで歩いたんか!
高山全く駄目な私は出勤で良かったですわ。
オホホ…。

投稿: お〜!やま〜! | 2008年9月27日 (土) 17時56分

いいなぁ、槍ヶ岳。
私には憧れることすら許されない気がします。
いつか行く日が来ることを信じて・・・2日目を楽しみにしています♪
早く書いてねぇ~~~

投稿: まりん | 2008年9月27日 (土) 19時31分

感動の山行がよみがえってきます~。早く更に感動的な二日目お願いします♪
あの~わたくしの言葉遣いが~っす、になっておりますが、そんな風にしゃべったのでございましょうか?最近めっきり女らしさがなくなってきました・・・。生ビール立ち飲みに、~っす口調に、今回の受付中の足の開き・・・。ちょっとは女子を取り戻さなければ~~~。

投稿: みほ | 2008年9月27日 (土) 19時37分

ほんといいなぁ、槍ヶ岳。
私にとっても『日本あるぷす』全てが憧れのお山でございます。
ひとつづつ、身の丈に合わせて挑戦していきたいです!

いよいよ登頂ですね!
後編、お待ちしています♪

投稿: 味 | 2008年9月28日 (日) 10時35分

お天気に恵まれてよかったですね。
とうほぐ方面は曇りでした。。。

槍は今までどうも敷居が高かったけど、
みほさん同様大天井で決意が固まりました。

来年は絶対行きたいです。。
私と行きたいお友達、
このゆびとまれ!!

投稿: まさとし | 2008年9月28日 (日) 16時15分

たけぱぱ、随分と昔のことを書いてくれてありがとう。
あの頃は夜行列車の中で、新聞紙1枚敷いてよく寝たもんだね。
それにしても、運動部ではあっても本格的な山登りがはじめてのオイラは、何もわからずについて行ったものだ。
ただ登りがきつかったことを覚えているよ。今から思えばタイム的には随分遅いね~E:coldsweats01]
みほさんとたまちゃんは本当に元気だねE:scissors]

投稿: H隊員 | 2008年9月28日 (日) 17時14分

たけぱぱさん、ハーレム登山羨ましい限りです 。私たちが天狗平を歩いているときに槍に着いちゃったようですね。会えるかなと少し期待して歩いていました。

投稿: えいじ | 2008年9月28日 (日) 23時58分

グットタイミングの槍でしたね
天候に恵まれ
メンバーにも恵まれ裏山C

投稿: 元 | 2008年9月29日 (月) 10時20分

先日は、槍ヶ岳へのご案内ありがとうございました♪憧れの山へたけぱぱさんとみほさんと登れたこと、とっても嬉しいです!最高の天気にも恵まれ、いっぱいエネルギーをもらいました☆
そして、このブログにも感動!!こんなにたくさんの写真とコメントつきで槍日記を書いて下さるなんて!二日目も楽しみです。

投稿: たま | 2008年9月29日 (月) 21時19分

お〜!やま〜!女史、
槍のてっぺんに行ったら、「先に女史が頂上で待ち構えていて、アルペン踊りを踊っている」シチュエーションを想像していましたが、待っていたのは360度の大パノラマでしたね。
来年はアルペン踊りを踊りに行きましょうよ。
女史がそういうタイトルでイベント立ててはいかがでしょうか?

投稿: たけぱぱ | 2008年10月25日 (土) 17時23分

まりんさま、
たまたまこのメンバーだったから「いいペース」で歩いただけの話でして、ノンビリ歩いても槍の頂上には立てます。
それに最近は「すっかり山オンナ」のまりんさまじゃないですか。
気合い入れて2日目の記事も書きましたからね。
では来年も槍ツアー「やり」ますか・・・
(craneさんではないよ!)

投稿: たけぱぱ | 2008年10月25日 (土) 17時31分

みほさま、
「さらに感動的な2日目」は感情を抑え目にして書いたつもりですがいかがだったでしょうか。
「〜っす」口調はもう定着しているようですから問題ないでしょう。
「ビール立ち飲み」や「足の開き」は男前でカッチョいいじゃありませんか。
そんなことを気になさる前に「ケツがデカイからもう一回撮ってもらっていいっすか?」というような発言からおやめになりませんと、「じい」はもっと男前発言をほじくり出しますぞ。

投稿: たけぱぱ | 2008年10月25日 (土) 17時44分

味ちゃん、
槍・穂高(あと剣岳もかな)はやはり特別なものがありますね。
その特別なお山に最高のメンバーで登れたことに感謝しています。
またこんな素晴らしい山行が出来るように、体力を保ち、仲間を大切にし、普段は節約し、歩けるうちは山登りをずっと続けていきたいと思っています。

投稿: たけぱぱ | 2008年10月25日 (土) 22時18分

まさとし、
今年はオイラ天気に恵まれたよ。
赤岳・槍・常念&蝶・・・
どれもすばらしいパノラマが見れた。
そして素晴らしい仲間と登れたことに感謝感謝ですよ。
決して「敷居が高」いことはないよ。
来年登れるといいねえ。
そうだ、大島にも行かねばーらんど。

投稿: たけぱぱ | 2008年10月26日 (日) 01時14分

H隊員、
確かにあの時はお互い「何もわからず」によく登ったもんだね。二人とも運動部に所属していたが、山登りに関してだけは今の自分たちのほうが余裕があるよね。
昔はゴイゴイ歩いていたが、その分休む時間も長かったような気がする。

みほさま・たまちゃんはいいペースで歩いてくれたよ。
男だけでだらだら行くよりは緊張感があってよかったのかもね。

投稿: たけぱぱ | 2008年10月26日 (日) 11時56分

えいじさん、
久しぶりにお会いしたかったですね。
槍沢を登っている間、すれ違う人を全てチェックしていたのですが・・・
いよいよあと2座ですね。
予定は決まりましたか?

投稿: たけぱぱ | 2008年10月26日 (日) 11時58分

元さん、
まさしく「グッドタイミング」でした。
なにもかも恵まれすぎでした。
山ヤやっていてよかったと思いましたね。
槍の姿はしっかりと目に焼きついています。

投稿: たけぱぱ | 2008年10月26日 (日) 12時18分

たまちゃん、
お疲れさまでした。
小屋には4時までに着ければいいやと思っていましたので、1時間以上も早い到着でゆっくりビールを飲みながら槍を眺めることが出来ましたね。
来年は穂高に行けるといいっすね。
冬の間は「低山歩き」をしています。
よかったらまた一緒に登りましょう。

投稿: たけぱぱ | 2008年10月26日 (日) 12時26分

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