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2008年10月29日 (水)

常念岳・蝶ヶ岳(本編その1)

私の所属する「業界」はお盆も正月も関係ない。休みは平日中心に交替でとる。

その代わりということなのであろうが、私が給料をもらっている会社には「年休」があり、年に12日間連休を2回もしくは6日間連休を4回取れるようになっている。

4月~9月(上半期)で6日間なら2回、12日間なら1回。

10月~3月(下半期)で6日間なら2回、12日間なら1回。

今年の上半期、4月の6日間は屋久島へ。7月の6日間は尾瀬と木曽駒へ。

そして下半期は10月に6日間、1月に6日間の年休をもらえる運びとなった。

1月は来年のことなので置いといて、10月は自分の希望である。寒くならないうちにもう一度北アか南アに足を印したい。出来れば10月11~13日の三連休に「ワイワイ山行」をしたいな~

などと考えたが、蓋をあけてみると10月7日~12日の6日間だった。

「業務優先」と言われれば致し方ない。

そこで、「11~12日の二日間でお山に行く人いませんか」と呼びかけていたところ、29年の付き合いになるH隊員から「常念・蝶に行かないか」と声がかかった。

かじゅさんも行くとのことだ。かじゅさんとH隊員は8月の荒川三山~赤石で一緒に登っている(私はその頃仕事のお山)。

かくして久々の女性抜き男性三人だけでの山行となったわけだ。

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2008年10月10日(金)、八王子駅南口に22時に集合し、H隊員の車で登山口まで行く予定。

三股の駐車場にテントを張るつもりなので大ザックにテント・シュラフなどを、中ザックに雨具や防寒着などを入れ、二つのザックを持って21時頃青梅の家を出る。

青梅線・八高線を乗り継いで八王子へ。南口に下りていくとH隊員号が待っていた。

かじゅさんから「少し遅れる」旨のメールが入る。

やがて22時少し過ぎにかじゅさんが大きいザックを背負って現れる。

H隊員「かじゅさん、ずいぶん荷物多いね。何が入ってるの?」

かじゅ「シュラフとか防寒着ですが、シュラフは車に置かせてもらうつもりなのでたいしたことないです」

私「コンビニ寄っていきます。かじゅさんも行きましょう」

丁度『おにぎり100円セール』をやっていたコンビニで明日の朝・昼メシと明後日の朝、計6食分を買う。ついでにつまみとビールも。焼酎は昼間仕入れてある。

かじゅさんはコーヒーなどを買って会計を済ませたが、私がビールを買っているのを見て、

か「それって、今から車の中で飲むヤツですか?」

私「そうですよ」

か「じゃ、ボクも買おうっと」

かじゅさん、H隊員や私に遠慮はいらないのであるよ。

22:30、H隊員号は八王子駅南口を出発。

高速に入るまでの間ももどかしく、かじゅさんと私は缶ビールで乾杯だ。

私「H隊員、スマンねえ。運転手は飲めないもんなー」

H「なーに、ダイジだー。オラは向こうに着いて缶ビール一本飲めば充分なんだからー」

H隊員号は夜の中央FREEWAYを順調に走る。

諏訪湖S.A.でトイレ休憩。お~、ここは何日か前に槍に行くときに『さわやか信州号』で寄ったところではないですか。すでになんだか懐かしい。

長野自動車道に入り、豊科I.C.で高速を下りる。

三股登山口に着いたのは11日(土)AM1:20。

駐車場は70台駐車できるのだが、半分くらいは埋まっているようだ。何しろ世の中は体育の日がらみで三連休だ。私は13日(月)は仕事だが。

トイレの近くにH隊員号を止め、車の後部すぐのところにテントを張る。少し雨が降ってきている。

かじゅさんと私がテントに、H隊員は車に寝るわけなのだが、H隊員は早くも寝る体制なので、かじゅさんと私で寝る前の『儀式』(酒盛りとも言う)を始める。話すのは「山仲間の誰と誰があそこへ行った」とか「今度はあそこの山へ行きたいね」とか、山の話ばかりなのであるがこれが楽しいのである。

1時間くらいは梅酒(かじゅ)と芋焼酎(私)をちびちびやりながら起きていたと思う。だから2時は確実にまわってからお開き。歯を磨いてシュラフにもぐり込む。テントをたたく雨の音を子守歌にあっという間に眠りに落ちる。

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2008年10月11日(土)、5:00にH隊員に起こされる。当然のことながら酒が残っています。雨も止んでいない様子。さほど強くはない雨である。

シュラフをまとめ、その他の荷物をとりあえずH隊員号に運び入れます。

テントをたたみ、これもとりあえずH隊員号へ。

その間にもH隊員とかじゅさんは朝飯を食ったり荷物のパッキングをしていたようだ。

酔いの残る状態で私もパッキング。食欲はない。1.5リットルの水筒に水を入れる。

かじゅさんは水を4リットル持ったらしい。Dsc03487_40

←トイレのすぐ脇がH隊員号。Dsc03488_40

←雨はやがて止むだろう。

Hshuppatu

←6:05、「ファイト~、マッスル、マッスル!」で気合を入れて出発。

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←最初は林道歩き。Dsc03490_40

←赤・黄・緑の錦。

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←6:19、三股。登山届けを記入提出。

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←この標識の向こう側にもう一つ「常念岳」と書いてある。

ここから常念へ向かう。

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←H隊員・かじゅ・私の順で登っていく。

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←大きなカエル。ブレ写真で申し訳ありません。

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紅葉を愛でつつ登っていくわけなのだが、酒が抜けていない。ただでさえ快調に登っていく二人についていくのがやっとの有様だ。

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←バシバシシャッターを切るかじゅさん。

小雨が降り続く。Dsc03501_40

←ゴゼンタチバナの赤い実。

しかし9時頃には完全に雨も止み、「予報どおりですね」と三人でうなずき合う。

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←青空も見え出す。H隊員の「雨男パワー」も最近は長く続かない。

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←快調に歩くH隊員を撮るかじゅさん。

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←9:20頃、樹林帯を抜けハイマツが現れる。相変わらずH隊員は快調に飛ばす。「腰痛が心配だ」と言っていたが全く問題なさそうだ。

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←前常念の直下に避難小屋がある。

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←10:10、前常念岳に到着。ここには三角点がある。

腰を下ろして休憩。おにぎりを頬張る。

ここでメモ帳にはさんであったボールペンをなくしてしまったことに気がついた。したがってここからのタイムはカメラで撮った記録とH・かじゅのお二人の記録がたよりである。

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←前常念にて。すわったかと思うとすぐ立ち上がる、元気な二人。

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←シラタマノキ

前常念から常念への稜線を歩いているうちにガスが晴れてきた。

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←右前方に手前から横通・東天井・大天井。

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←ここから常念小屋への道を歩く人は少ないようである。赤ペンキで×がついていた。

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←11:00、常念乗越に常念小屋が見えてきた。

次の瞬間、先頭のH隊員から声が上がる。

H「槍だ。槍が見える」

かじゅ「エッ、エッ」と言って走っていく。

私も走る。

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←槍が見える。Dsc03514_40

←アップにしてみました。

何度も「ヤリー、ヤリー!」と大人気なく騒ぎました。

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←そしてやっと常念の頂上も姿を現す。

しぶとく「ヤリー、ヤリー!」と叫んでいると常念の絶壁に跳ねかえった自分の声が聞こえました。

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←11:10、常念乗越から来る道との合流点。

ここからいきなりスピードを上げ、私が先頭で山頂に到着しました。山に来ると子供になっちゃいますね。今回は男ばかりだし。

11:15、常念岳山頂に到着。20年ぶり2回目の常念です。

登ってきたH隊員・かじゅさんとがっちり握手をかわす。

私「おめでとう、H隊員。ここで71座だったよな?」

H「その通り。よーく覚えてるねぇ」

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←常念山頂にて。穂高の頂上は雲の中ですね。

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←かじゅさんに一枚撮ってもらった。二人合わせてもうすぐ百歳である。あと20年くらい登れるかな~

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←横通・大天井方面。

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頂上でお昼にする。おにぎりとインスタント味噌汁だが、なんというゼイタクなお昼だろうか。槍を見ながらのお昼だ。

せっかくだからコーヒーもいただく。まったく言う事なし。

12:05、頂上をあとにする。

少し風があったので合羽のフードをかぶり、帽子が飛ぶのを抑える。

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←この稜線をずっと歩いていく。

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←やがて風も弱まり、ますます快適な稜線歩きだ。

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←常念を振り返る。

Dsc03525_40 H_jounen_back Kaju_3jounen_back

←常念をバックに。三台のカメラでかわるがわる三脚で撮りました。

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←このあたりの紅葉はしびれるほどキレイでしたよ。

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←何度も常念を振り返る。

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←14時頃、蝶槍が見えてきたところで小休止。蝶槍までまた登るなぁ~。

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←蝶槍への登り。

登るにつれて槍の頂上にかかっていた雲がまたとれてきた。

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←振り返ると槍が。

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←三週間ほど前に歩いた槍沢もハッキリ見えるではないか。これにはまいった。

槍の穂先を見る。槍沢にずーっと目を落として行く。それだけで涙がこぼれそうだった。歳をとると涙腺が弱くなってしまって、いかんいかん。

14:40、蝶槍の頂上に到着。小休止。

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←今回の山旅のベストショット。蝶槍にて。

だんだん太陽が斜めに当たるのを感じつつ稜線を歩く。

槍と槍沢を眺めてはため息をつく。その度に二人から遅れる。

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←15:00横尾分岐。

だんだん槍・槍沢が離れてゆく。名残惜しく何度も振り返る。

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←15:27、小屋が見えた。

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←15:30、蝶ヶ岳ヒュッテに到着。

山靴を脱ぐ瞬間は足に羽が生える瞬間である。

受付をすませると小屋のスタッフがカイコ棚に案内してくれる。

カイコ棚の2階だが、ゆったりと眠れそうだ。荷物を置く場所もたっぷりある。

私ははいてきたズボン一丁しかないので着替えも必要ない。二人の分のビールも買ってくる。布団の上にカッパを広げその上につまみを並べ乾杯だ。

「お疲れ山!」

かじゅ・私はロング缶。H隊員はレギュラー缶。

ちびちびやりだしたが、H隊員はズボンの上にカッパをはいていたため乾かなかったようで、気になっている様子。

玄関近く、売店の前のストーブ前で飲もうということでつまみとビールを持って移動。かじゅさんと私は山仲間のウワサ話や次の山行などのおしゃべりタイムなのだが、H隊員はズボンを乾かすことに気を取られている様子である。

ビールがなくなってかじゅさん梅酒・私焼酎という「テントの儀式」の続きに移ったが間もなく17時から晩飯タイムだ。

食堂に持って行って飲もう、と思ったが張り紙がしてあり、

「本日の酒類のお持込はお断りいたします」だと。

回転が悪くなるから致し方ないのだろう。

梅酒と焼酎をカイコ棚に戻し、食堂に入る。

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←蝶ヶ岳ヒュッテの晩飯。

三人肩を寄せ合っておいしくいただく。出来ればちょっと飲みながら食べたいところだが・・・

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カイコ棚に戻らずに外に出てみた。

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←槍の穂先が夕空に突き刺さっていた。

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←槍のアップ。ボケました。

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←穂高も頂上まで見えている。

こりゃあ、明日も天気いいよ。

カイコ棚に戻る。H隊員が真ん中に寝る。かじゅさんも少し飲んでいたようだがやがて布団にくるまった。私も眠いはずだ。かじゅさんによれば寝たのは3時。

2時間くらいしか寝ていないのにちっとも眠くない。

しばらくしちびちび飲んでいた。

21時をまわったところで外のトイレに行ってみた。満天の星だ。空を見上げると自分がいかにちっぽけな存在かがわかる。

(ムリに眠らなくたって大丈夫。明日は下るだけじゃん)

身も心もスッキリしたところで布団に戻り、携帯の電源を入れてみる。もちろん圏外。屋久島日記の下書きをする。蝶ヶ岳で屋久島日記を書くのもおかしなものだが不思議に頭がさえており、筆が進む。

22時をまわったところでさすがに眠くなってきた。10月の北アの頂上付近だが小屋の中は暑いくらいだ。着ていたダウンは脱いで眠る。

「常念岳・蝶ヶ岳(本編その2)」へ続く>>

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コメント

私もこの間行って、感動したばかりなので、楽しくよませていただきました。「やり~」って叫ぶと、声がかえってくるとっは・・。よほど大きな声で叫びましたね!

投稿: フータン | 2008年10月29日 (水) 06時10分

ついにアップしたねえ~
いつもながら詳細で長文の日記お疲れ山。
夕空の写真がきれいに撮れてるねえsign01
それにしても小屋ではそんなに遅くまで起きてたの?
オイラも起こしてもらって満天の星見たかったなあ。。。

投稿: H隊員 | 2008年10月29日 (水) 22時55分

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