屋久島日記 2008年4月。6日目。
2008年4月8日(火)、4時に目が覚めてしまう。
今日は安房を13:30に出るトッピーに乗ればよい。それまでどこに行こうか。韓国の三人は朝早くYHを出て行くと言っていた。
ベッドの灯りを点けて地図を静かに広げてみる。千尋の滝とトローキの滝を見に行くくらいしか出来ないかな~
地図とバスの時刻表を眺めてなんとなくそんな結論に落ち着いてまた電気を消す。
今回の旅を思い返してみる。黒味岳やモッチョム岳に登れなかったのは残念だがそれはまた次回以降の宿題としよう。
今回の一番の目的である永田岳には行ってこれたからいいじゃないか。
太忠岳にも行きたかったな。大川の滝ももう一度見て見たかった。
あれこれ考えていると6時にあごひげ青年の目覚ましが鳴った。
あごひげ青年は白谷に行くらしい。昨夜寝る前に律義に「明日6時に目覚まし鳴らしていいですか?」と言っていた。
私「どちらからですか?」
青年「仙台からです。飛行機を3本乗り継いできました」
仙台→大阪→鹿児島→屋久島というルートだそうだ。
お父さんも登る人なので影響されて山を始めたような事を言っていた。
青年は山へ行く支度をしながら、私も荷物をまとめながらの会話である。
青年が出かける前に私は最後のヒノキ風呂を楽しみに行く。
風呂から戻ると青年は出かけたあとだった。コンセントに携帯の充電器が刺さったままになっている。少し使わせてもらった。青年の大きなザックの上に書置きの名刺を残しておいた。
「携帯の充電器を勝手に使わせてもらいました。屋久島の旅を楽しんでください」
布団をたたみ、忘れ物がないかもう一度確認して部屋を出る。
管理棟でお父さんに挨拶、
私「また来ます」
父「是非またいらっしゃい」
8:47のバスに乗る。
←「平内入口」バス停
今日は快晴。時間があればモッチョムに登りたいなァ。
バスの運転手さんに千尋の滝の最寄のバス停を訊いてみる。ハッキリしたことがわからないので「ポンタン館」で訊くのがいいですよ、との答え。
「鯛の川」でバスを降りる。「ポンタン館」に荷物を置かせてもらい、サブザックに貴重品・カメラ・お茶を入れて9:15歩行開始。
目指すは千尋の滝展望台。
←モッチョム岳。最初に来たときから「いつかは登らねば」と思っているのだが・・・
ポンカン・タンカン畑には猿対策のために電流を通した柵が張りめぐらされている。
その柵越しに海が見える。(こんなところで暮らせたら長生きできるだろうな~)などと勝手なことを考える。
←モッチョム岳。
島の南側を「岳南」と呼ぶ。この島の中でも晴れた日が多く、つまり暖かく、暮らすのに最適である。温泉もいくつかある。
岳南のシンボルがこのモッチョムである。
このあたりの地名は全てモッチョム岳を基準にして覚えるといい。たとえば「豆風庵」のある中野はモッチョムの真南。中野の少し西に尾之間集落。尾之間にJRホテルや温泉がある。中野の少し東を今歩いている。バス停で言うと「鯛の川」。これから向かう千尋の滝も鯛の川がガツンと落ちるところになるわけだ。
←千尋の滝へ行く途中にモッチョムの登山口がある。往復4時間半。今日は絶好の登山日和だが・・・
展望台の少し手前に土産物屋さんがあるが、そこの前にYHの縄文杉ツアー女性三人組み(一人は缶ビール片手に談話室で会話に加わった女性)がいた。ガイドさんらしき男性も一緒だ。
ガイドさん「歩いてきたの?バス停から?乗せてあげればよかったね」
私「大丈夫です。歩くのも楽しいです」
←10:00、千尋(せんぴろ)の滝展望台に到着。誰もいない。
滝に向かって左側の一枚岩が圧巻である。「日本で一番好きな滝は?」と訊かれたら間違いなく「ここ」と答えるだろう。
10:09、滝展望台をあとにする。
10:53、トローキの滝展望所に到着。
←トローキの滝とモッチョム岳。
「トローキ」は「とどろき」がなまったもので、水量によってそのとどろき方もかなり違う。鯛の川が直接海に流れ落ちるという豪快な滝である。
バスの時間まで携帯でメールなどチェックしていると関東地方は大荒れの天気のようだ。(こっちはこんなに天気がいいのに・・・)
飛行機の欠航も出ているようである。
11:34、バスがやってきた。
11:50頃、安房港に到着。
まず、窓口で乗船券を発行してもらう。13:30発なので時間がある。どこに入ろうか迷ったが中華屋さんにする。
この日は本当に天気がよく暖かく、千尋の滝に歩いて往復しただけでもかなり汗をかいて喉もかわいたのだが、グッとこらえてラーメンだけにする。
←安房港のトッピーターミナル。
ターミナルは団体客、登山客、外人さんなどでごったがえしている。
今日は本当にいい天気。もう一度島に戻って宮之浦岳に登りたいくらいである。
←14:30頃、佐多岬沖を通過。
船内のTVでも「羽田は大荒れ。欠航相次ぐ」とやっている。
(なかなか素直に帰らせてくれんなー、屋久島の神様は・・・)
そのうちに船内のTVはビデオになり、ミフネが出ている時代劇映画で竜巻のシーンが流れている。
(明日から仕事なので屋久島の神様、どうかよろしくお願いいたします)
15:30、鹿児島南港着。
鹿児島市内はまだ桜が咲いていた。
バスで鹿児島空港に着いたのが16:50頃。
まず、JGC(JALグローバルクラブ)カウンターに行ってみる。
カウンターの女性「11時発の羽田行きは鹿児島に引き返しました。その後の便は遅れて飛んでおります」
自分が持っているチケットはもう少し遅い便のものだったが、前の便が遅れているようなのでその便のキャンセル待ちをすることに。
17:25発の便をキャンセル待ち。17:10呼び出し予定。キャンセル待ち番号「カテゴリーAの7番」
JALの羽田行きの便を扱うカウンターの前は自分と同じようにキャンセル待ちをする人達で時間が経つにつれ混んでくる。
17時頃アナウンス「17:25発の羽田行きは18:55発に変更となりました。キャンセル待ちの呼び出しは18:40頃を予定しております」
たっぷりと時間が出来てしまったので2階の「菜の花ラウンジ」へ移動。
落ち着いて新聞でも読もうと思うが落ち着けるものではない。
メールであちこちの友人に今の状況をお知らせする。返事は「またですか」「やっぱりね」「2度あることは3度ある」みたいな期待通りの反応である。
落ち着かないので早々とラウンジをあとにしてまたカウンターのある1階で待つ。
18:40頃アナウンス「条件付で羽田に飛ぶ」とのこと。「元の予定では17:25発の便」の座席番号41Aの搭乗券をもらい、荷物を預けセキュリティーチェックに進み、飛行機に乗り込む。
なかなか動きださなかったが、19:14、やっと機体が滑走路に向かい、羽田に向けて飛び立った。
機内では山下達郎「ずっと一緒さ」を聴いていたのを覚えている。
あとは普通に羽田に着き、京急・南武線・青梅線を乗りついで帰った。
ザックには「三岳」(芋焼酎)の2合が三本。5合の飲みかけが一本。
2合三本はその週の日曜日の「花見すき焼き高尾登山」に持参いたしました。
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コメント
私は3年前屋久島に旅しました。でもモッチョムはホテルから眺めるだけ...
相方は縄文杉すら興味がなく宮之浦なんて夢のまた夢
たけぱぱの楽しそうな日記を読んでこの島は山仲間と行くべきだ、と痛感しました。
投稿: kaki | 2008年10月22日 (水) 11時42分
屋久島の宿題は、増えるばかりですね ^^;
宿題を片付ける際には、我が家もご一緒したいなぁ~。
我が家も最終日に、トローキの滝と千尋の滝を見に行こうとしましたが、
サンダルで行ったため足元が滑り、トローキの滝展望所を断念。
結局、そのまま千尋の滝も行きませんでした。
いつか行くぞ!!
投稿: Aki | 2008年10月22日 (水) 16時10分
そうそう、書き忘れました。
三岳は、本当に手に入りにくいですね。
初日はどこにいっても棚が空。
翌日、二合のをようやく入手。
が、最終日に空港で四合(?)ビンがふつうに並んでいてビックリ。
でも、個人的には初日に買った他の芋焼酎の方が好みでした。
投稿: Aki | 2008年10月22日 (水) 16時16分
数々の滝も見てきたたけぱぱが一番好きだという滝はどんなんなんだろう。
ますます、屋久島にいきたくなって来ました〜。
三岳ってそんなも手に入りにくいのね。
そんなきちょ〜なお酒をどうもごちそうさまでした〜。
でも、本当に美味しいよね〜。
投稿: りっちゃん | 2008年10月23日 (木) 19時59分
それだけ行っててもまだ宿題があるんだね

太忠岳、黒味岳、モッチョム岳etc.・・・
いつか果たさなければ気がすまないのだろうな
投稿: H隊員 | 2008年10月25日 (土) 22時04分
数年前に屋久島YHでご一緒いたしましたハナダです。
お久しぶりです。
屋久島の山々をだいぶ回られているようですね。
家族で行かれたり、一人で行かれたり羨ましい限りです。
ブログを楽しく拝見させていただいています。
私もお会いした後2回ほど屋久島に行きましたが、その後は2年ほど行っていません。
最後に行ったときもバイクで行ったのですが、
九州で大雨に遭い高速が通行止めになりひどい目に遭いました。
もう無理する年ではないと大型バイクは降りて排気量が1/10のスクーターでがんばっています。
来年の7月は屋久島で皆既日食がみられるので、何とか行きたいと思っています。
しかし、転職して休みが取れなくなってしまいました...(少し 後悔)
また屋久島で会えるといいですね。
投稿: ハナダ | 2008年10月30日 (木) 20時31分