九州遠征 第3日目。英彦山へ。
2009年1月16日(金)、4時起床。日田のビジネスHで目が覚める。
カーテンをあけて外を見てみる。まだ真っ暗だ。
昨日と同じくまずお湯を沸かし、お茶を飲む。次にまたお湯を沸かし、カップ麺を食べる。
そしてザックに荷物を詰める。
6:30、宿を出る。
少し早いのだが、7:35発の田川後藤寺行きは日田始発だ。列車の中で待ってればいいだろう。
日田駅前から真っ直ぐの通りを日田駅に向かって歩く。
ほとんど人通りがないが、高校生の姿がチラホラ。ローカル線の度合が強まるほど、高校生の通学がその線の乗車人員に占める割合が高くなるのを実感する。
日田駅に着き、券売機で彦山駅までの切符を買う。
日田駅は昔ながらの「列車ごとの改札」を行うスタイルである。
ホームには入れないので待合室で改札が始まるのを待つ。
高校生は待合室の外で友達と談笑しながら待つ。
待合室には地元の用務客が4~5人。待合室にあるキオスクでは販売員のおねえさんが新聞をセットしている。
やがて改札が始まり、地下道をくぐりホームに入る。
←今日もキハ125にお世話になる。「田川後藤寺」の行き先表示が九州にいることを感じさせてくれる。
7:35、2両編成のキハ125が日田駅を出発。
←7:47、夜明から日田英彦山線に入る。「夜明」というのもまた旅情をかきたてる駅名ではある。
←7:59、宝珠山。「県境の上にホームが伸びる」と駅名票に書いてある。大分と福岡の境の駅である。
←8:02、大行司駅。夜明~彦山間で行き違い設備のあるのはここだけとか、ホームが高いところにあって駅舎まで階段を77段も下りていく、なんてことをここに書いても、
「それのどこが面白いの?」
という声が聞こえてきそうなのでこの辺でやめておこう。
そういった「ローカル線旅情」にひたっていると、あさこちゃんからメールが入る、
あさこ「ちょっと遅れそうだよぉ」
(じゃあ、駅でのお出迎えはないな~)と思った。
8:19、彦山駅に到着。ぼ~っとして駅ホームに降り立つとあさこちゃんと山下さんと思われる男性がいた。
私「なんだよ~、遅れるっていうから気を抜いてたよ~」
←早速山下さんに写真を撮ってもらう。
山下さんはエベレストに2回も登った人である。「九州マウンテンガイドサービス」代表でもある。
今回の同行も有料でお願いしたわけであるが、超破格値で申し訳ないくらいである。九州へ行く事があったら是非「ダメモト」で電話してみてもらいたい。
アイスバーンになった道を山下さんのワゴンでゆっくりと登っていく。
豊前坊の駐車場に到着。 ワゴンの中で身支度をして、用意が整ったところ
で山下さん(以降山ちゃん)の指導で丹念にストレッチ。
9:59、歩行開始。山ちゃん、あさこちゃん、私の順番で歩いていく。
←この雪ではここまで上がってくる人も少なく、売店も休業。
あさこちゃんと山歩きをするのは昨年(2008年)の赤岳以来である。その時が、結婚して九州へ行くあさこちゃんの壮行会登山だったわけだが。(赤岳のお話はコチラを>>)
←今年の干支の牛ではないですか。
←信心はないが手を合わせておく。山ちゃん・あさこちゃんはちゃんと二拍一礼していました。
←山ちゃん(山下健夫さん)。60歳とは思えない。2000年と2006年の2回、エベレストの頂上に立っている。2003年にも8500mまで行ったがその時は敗退。
←雪の下は石段になっているようで、山ちゃんによると「雪があってかえって歩きやすい」とのこと。
←北岳~中岳~南岳と回っていく予定。
←かなり急な登りもある。写ってはいないが鎖にすがって登るところもある。
汗をかかないうちに立ち止まり、暑いと思ったら一枚脱ぐ。冬の山では汗をかかないでゆっくり登らなければ。
山ちゃんにもらったゆずジュースがウマかった。今度自分も持っていこう。
登って行くにつれ、由布岳・鶴見岳・九重の山々も見えてくる。天気は曇りだが見通しは良い。
私「あれ、海ですよね」
山ちゃん「海は見えんよ。距離的に遠いな~」
しかし、もう少し登ってまた見通しのきくところに出たとき、
山「あれはやっぱり海だな。今までここに来て海を意識したことなかったな~」
周防灘が見える。景色がいいとやはりうれしい。
←だんだん雪が深くなってくるが先頭は山ちゃんだ、ただ黙ってついていくだけでいい。
←10:13、北岳に到着。
←あさこちゃん、メールしたいが電波届かずの図。
←これからさらに中岳~南岳へと進む。
←やがて上宮のある中岳と最高峰の南岳も見えてきた。
←北岳~中岳の稜線。なかなか楽しい道だ。このあたりで積雪30cmというところか。
←10:44、中岳に到着。中岳の本当の頂上は上宮のあるところだが。
山ちゃん「南岳に行ってきてここに戻ってお昼にしましょうか。ここなら風も避けられるようだし」
あさこ・私「は~い。OKですぅ」
←最高峰は南岳だが、信仰の山としての中心は上宮のある中岳だ。大きな「英彦山頂上」という標柱が立っている。
この標柱のまわりには全く足跡がなかった。フカフカの雪の上を最初に歩かせてもらい、標柱の横に立つ。続いてあさこちゃん。
←山ちゃんに撮ってもらう。
←頂上の標柱と「あさこパンダ」を一緒に写真に収めるあさこちゃん。
ひとしきり撮影が終わって南岳へ向けて出発。
←英彦山神宮の上宮。中でお昼を食べていたグループがいた。それはいいのだが、板の床にアイゼンをはいたままドカドカと歩いている。いくらなんでもそれはマナー違反ではないだろうか・・・
←あさこちゃんがさかんに「エビの尻尾ないかな~」と言って歩いていたがこれは巨大な「エビフライ」ではないかと。
←11:09、南岳着。山ちゃんが雪の下から三角点を掘り出してくれた。このあたりで積雪50cmというところだろう。
←山ちゃんがお湯を沸かし紅茶を作ってくれる。
その間にも我々はあさこちゃんが作ってきてくれたおにぎりをいただく。あさこちゃん、ご馳走様でした。おいしかったよぉ~
山ちゃんからもお寿司をいただきました。ご馳走様でした。
そして砂糖をたっぷり入れた温かい紅茶をいただく。
←山ちゃんがポーズを指示するのでこんな写真になりました。
歩いているときにもエベレストの話をたくさんうかがいましたが、お昼を食べながらも「生きるか死ぬか」の8500m以上での世界のことをたくさん教えてもらいました。
あさこちゃんが首に巻いていた手ぬぐいを見せてくれた。
←これです(写真は青梅に帰ってから撮ったものですが)。
作詞者の草野一人さんはあさこちゃんの旦那様の父上。つまり、あさこちゃんの義理の父上。この歌は1978年に芹洋子がNHK「みんなのうた」で歌ってヒットした。その当時日本全国のユースホステルでミーティングなどの時にも歌われた。私の学生時代の頃の話である。私も当時レコードまで買って聴いたものである。
(あさこちゃん、それ欲しい!)と言うまでもなく、あさこちゃんの方から、
あさこ「お二人にも強制的にもらってもらいますから、この手ぬぐいは」
私「あとで買って送ってもらおうと思ったんだよ」
あさこ「そんなことはいたしません。あとでお二人に差し上げます」
ということで温泉に入るときにありがたく一つずつ頂戴した。
一旦、中岳に戻ります。
←九州にも雪が降ることはわかっていても、「本当に九州?」と思うような景色です。
←中岳に戻り、上宮の前にて、三脚で撮影。エベレストに2回も登った山ちゃんに「大歓会たけぱぱ」の旗を持っていただいて感激です。
12:00、下り始めます。
下り道で山ちゃんはあちこちで声をかけられ、「一緒に写真を撮ってください」と頼まれていました。
ちゃっかり、あさこちゃんと私も写ったりなんかして。
←あさこ「これ樹氷?」
私「これがもっと成長したら樹氷になるね」
あさこ「じゃあ、樹氷の子供ぉ~」
←この分岐から奉幣殿の方へは行かず、「英彦山青年の家」の方に向かいます。
←かかとで蹴り込みながらゆっくりと下っていきます。
←見た目ほどコワイところじゃありませんよ。
←野鳥観察路(バードライン)を通っていきます。
←右側の斜面はスキー場です。この先にキャンプ場もありました。ここまで来れば山道はもう終わり。杉の植林(演習林)の間を通り、「英彦山青少年の家」の横を抜け、豊前坊の駐車場に戻ったのが13:35.
あさこちゃんと2人で静かに「ファイト~、マッスル、マッスル!」をやりました。
そして山ちゃんと3人で締めのストレッチ。皆さんもこうやって体をいたわってください。
←とりあえずスパッツだけはずし、山ちゃん号で温泉に向かう。
道はアイスバーン。運転は慎重に。
←今日の温泉「しゃくなげ荘」。立ち寄りは600円。お肌がツルツルになるとかで、あさこちゃんによれば2Lペットボトルで5本も温泉を持って帰ったツワモノのおばさまがいたそうである。
露天風呂にゆっくりと浸かり、大広間に集合する。
←生ビールを一杯だけいただく。遠くまで来て、山に登って、温泉に入って友達と飲むビール。マズイわけがない。
しゃくなげ荘を出て山ちゃん号で北九州方面に戻る。山ちゃんに一枚ずつエベレスト登頂(2回目)の記録DVDをもらった。
「青春の門」の舞台である香春岳を横目に見ながら山ちゃん号は九州自動車道の「中谷」へ向かう。ここを天神へ向かう高速バスが通るそうだ。
16:20頃、中谷に到着。山ちゃんと握手して別れる。山ちゃん号を手を振ってお見送り。
バスはすぐやってきた。16:27、中谷発車。乗り込むとすぐに2人とも眠ってしまったようである。
自分の携帯も鳴っていたようだが、(迷惑メールだろう)などと思い、放っておいたら、次にあさこちゃんが電話に出ている。
あさこちゃんが私の前の席に座っていたのだが、後ろを向いて、
「あ~そうなんですか」と言っている。
あさこ「たけぱぱ、山下さんの車にカメラ忘れたって」
と言って電話を代わった。
山ちゃん「カメラ、車の中にあったよ~。引き返してくる時間ある?あっそう、じゃあ着払いで送るけど、もう家に帰るまで忘れ物したらアカンよ~」
エベレスト登山家に「宅急便を頼む」とは私もいい度胸である。
バスはいつしか福岡の街に入り、天神バスターミナルに着く。
地下鉄に乗り換えて福岡空港へ。
空港でチェックイン後、荷物を機内預かりにして身軽になり、向かうは「反省会」である。
反省会会場は「角打ち萬坊」
九州の地の物をおいしくいただきながら、最初は生ビール。次にやっぱり九州と言えば焼酎である。
話すことはいくらでもあるが、特に印象に残っている会話、
私「今回はオイラ一人なのにいろいろ手配してもらい、ありがとう。今度は誰かとまとまって何人かで来るからね」
あさこ「もちろん、皆でたくさん来てほしいけど、一人でも何人でもいいからちょくちょく何回も来て欲しいのよぉ~。そしたら私もちょくちょく出かけられるじゃない~」
そうなんだよな~。飛行機に乗れば羽田は近いけど、そんなにちょくちょく来れるもんじゃないんだよな。ここは九州なんだよな~。
ちょっとしんみりとするのでありました。
飲み足りないし話足りないが、飛行機に乗って帰らねばならない。
セキュリティを通り、あさこちゃんと手を振って別れる。
あさこ「また九州に来てね。私もそっちに行くから」
私「わかった。また来るからね」
20:45福岡空港発のANAで機上の人となり、またアダモにしびれつつ東京に帰るのでありました。
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